現在、各自治体にて物価高対策における「現金給付」の手続きが進行中です。

6月10日現在、すでに給付金の受け取り申請を締め切っている自治体が多数ありますが、6月30日やさらにその先まで申請受付中の自治体もあります。

現金給付の対象世帯や受給方法、手続きのスケジュールは自治体によって異なります。詳細はお住まいの市町村ホームページ等で確認しましょう。

本記事では、現在進行中の現金給付の対象となる「住民税非課税世帯」とは、具体的にどのような世帯を指すのかを詳しく解説していきます。住民税が非課税になる年収のボーダーラインはいくらなのか。

※申請期限や手続き方法などは、自治体によって異なります。LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

1. 【現金給付】1世帯あたり3万円&子1人につき2万円加算

2024年12月に可決・成立した2024年度補正予算には、「低所得者世帯支援」として、特に物価高の影響を受けやすい「住民税非課税世帯」を対象とする給付金が盛り込まれています。

この給付金は、物価高騰の影響を受けやすい低所得世帯の暮らしを支えることを目的にしています。

住民税非課税世帯を対象に、一世帯あたり3万円が給付されます。

5月現在、各自治体で給付作業が進んでいます。

給付金の支給対象世帯のうち「子育て世帯」には、18歳以下の子ども1人につき2万円が加算されます。

例えば、「夫婦+対象となる子ども2人」の世帯であれば、支給額は合計7万円となります。

【ご注意】給付金の申請方法や給付までのスケジュール、細かい支給要件などは市区町村により異なります。お住まいの自治体の最新情報は、ホームページや広報誌などでご確認ください。LIMOでは個別のお問い合わせへのお答えはいたしかねます。

次章では、「住民税非課税世帯」は具体的にどのような世帯が該当するのかを見ていきましょう。

2. 【現金給付】対象となる「住民税非課税世帯」とは?

「住民税非課税世帯」について、そしてその前提となる「住民税」について解説します。

2.1 「住民税」とは?

住んでいる都道府県や市区町村に対して納める税金のことです。

まるで、地域社会という大きなグループのメンバーである私たちが、その運営費を分担するために支払う「会費」のようなものだと考えると分かりやすいかもしれません。

教育や福祉、医療など、快適で安全な生活を送るために必要なサービスは、住民税がその一翼を担っています。

2.2 「住民税非課税世帯」とは?

住民税の納付額は、前年の所得をもとに計算されます。そのため、所得がない場合は住民税もゼロとなり、非課税扱いになります。また、一定の収入以下であれば非課税になるケースもあります。

そして「住民税非課税世帯」とは、世帯全員が住民税を課税されていない世帯を指します。

ただし、非課税となる要件は地域によって異なるため、所得基準額についてはご自身がお住まいの自治体での確認が必要ですなお、「住民税の所得割のみ非課税」となる区分もあります。ただし今回の給付金の対象となるかどうかは自治体により異なるため、必ずお住まいの市区町村などの基準をご確認ください。

ここでは、東京都23区の例を見てみましょう。

2.3 「住民税非課税世帯」に該当する要件ーー東京都23区内の場合

東京都23区内の場合2/7

出所:東京都主税局「個人住民税」

東京都23区内における住民税非課税世帯の判定基準は以下のようになります。

(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方

(2) 障害者・未成年者・寡婦又はひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方 

(3) 前年中の合計所得金額が下記の方

  • 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
  • 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下

たとえば「一人暮らしの方」の場合、所得が45万円以下であれば住民税が非課税世帯に該当します。

ここで注意が必要なのは、「合計所得金額」と「収入金額」は異なるということです。収入金額から必要経費(給与所得者の場合は給与所得控除)を差し引いたものが所得金額となります。

次章では、収入を基準にすると、どの程度が非課税になるのかを確認しましょう。

3. 【現金給付】対象となる「住民税非課税世帯」の年収ボーダーラインはいくら?

東京都港区について、住民税非課税世帯の「年収目安」を確認していきましょう。

3.1 住民税非課税世帯に該当する年収ーー港区の場合

港区における住民税非課税世帯の年収条件3/7

出所:港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」

  • アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
  • 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
  • 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下
  • 不動産収入等所得がある人は、収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下)

アルバイトやパートの給与収入の人なら年収が100万円以下、収入が年金のみの人で65歳以上なら年収155万円以下であれば非課税となります。

同じ収入金額でも、所得の種類(給与所得、年金所得、不動産所得など)によって、所得控除額が異なるため、非課税となる基準額も変わってくるのですね。

年金生活者は住民税非課税世帯に該当しやすいと言われますが、現役世代に比べて年金収入は所得控除を受けやすく、収入額も現役世代の給与所得に比べて低い傾向があるためでしょう。

続いては、住民税非課税世帯はどれくらいの割合の人が該当するのか年代別に確認していきましょう。

4. 住民税非課税世帯は何パーセントくらいいる?《年代別》

厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにして、年代別の住民税”課税”世帯の割合を確認しましょう。

なお、それ以外の世帯はすべて「住民税非課税世帯」というわけではなく、不明の世帯も含まれている可能性があります。

住民税課税世帯の年代別割合4/7

【一覧表】住民税課税世帯の年代別割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

  • 30歳代:88.0%
  • 40歳代:90.0%
  • 50歳代:86.4%
  • 60歳代:78.3%
  • 70歳代:64.1%
  • 80歳代:47.5%
  • 65歳以上(再掲):61.9%
  • 75歳以上(再掲):50.9%

30代、40代で9割近い世帯が課税世帯ですが、高齢になるにつれてその割合は低くなっています。80歳代では課税世帯は半数を切っており、65歳以上全体で見ても約6割となっています。

先ほど、東京都港区のケースで「一人暮らしの方」の場合、所得が45万円以下であれば住民税が非課税世帯に該当すると説明しました。現役世代の給与収入からすると低い水準ですが、年金収入のみで生活している方はこの基準を下回りやすいのです。

また、遺族年金は住民税が課税されないことも、高齢者に住民税非課税世帯が増える要因の一つと考えられます。

住民税非課税世帯が受けられるのは、今回の「3万円給付金」のような一時的な支援だけではありません。次は、住民税非課税世帯が受けられる、行政サービスや給付金・助成金の例を紹介しましょう。

5. 【参考】住民税非課税世帯への優遇措置一覧表

住民税非課税世帯には優遇措置があります。下記の一覧はあくまでも一例です。

【一覧表】住民税非課税世帯への優遇措置5/7

【一覧表】住民税非課税世帯への優遇措置

出所:各種資料をもとにLIMO編集部にて作成

  • 国民健康保険料(応益割)の減額
  • 介護保険料の減額
  • 国民年金保険料の免除・納付猶予
  • 保育料の無償化
  • 高等教育の修学支援新制度

上記のほかに、各自治体が独自で優遇措置を設けているケースもあります。詳細はお住まいの自治体ホームページ等で確認することをおすすめします。

最後に、一定要件を満たすシニアの住民税非課税世帯が対象となる「老齢年金生活者支援給付金」について説明します。

6. 65歳以上の住民税非課税世帯は【老齢年金生活者支援給付金】の対象になるかも…!

老齢年金を受け取るシニアが住民税非課税世帯である場合、一定基準を満たすと「老齢年金生活者支援給付金」の対象となります。

その支給要件や給付基準額についても触れておきます。

6.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件

【老齢年金生活者支援給付金】支給要件6/7

年金生活者支援給付金制度について

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」について

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は88万7700円以下(※2)である。

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれない
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される

6.2 老齢年金生活者支援給付金の給付基準額

  • 令和7(2025年)度の給付基準額:5450円(月額)

この基準額をもとに、保険料納付済期間や保険料免除期間等に応じて実際の支給金額が算出されます。

7. 現金給付3万円は現在進行中!申請受付終了&申請期限が迫る自治体も…要チェック

コロナ禍以降、現金給付による支援策が幾度か続いています。

国民全員が対象となることもありましたが、直近は「より物価高における影響が大きい」とされる低所得世帯に対象が絞られています。

現在進行中(自治体によってはすでに手続き終了)の1世帯あたり3万円の現金給付。当該世帯に児童がいる場合は、子1人につき2万円が加算されます。

例えば、住民税非課税世帯の夫婦+小学生の子ども3人のご家庭は、合計9万円の給付金を受け取ることができます。

給付金を受け取ることにより家計が大きく好転するとは考えにくいですが、物価上昇が続く中、貴重な収入になることに違いはないでしょう。

なお、現在進行中の3万円現金給付は、すでに申請を締め切っている自治体もあります。

まだ申請受付中の自治体もありますが、6月末に申請期限が迫る自治体も。対象世帯は申請漏れにより受け取れないといったことがないようご留意ください。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料