セカンドライフの収入の柱である「公的年金(国民年金・厚生年金)」は、毎月ではなく2カ月に1回の支給、次回は8月14日に支払われます。
本記事では、2026年度(令和8年度)の年金額改定や直近の支給スケジュール、年金を受け取るための基本手続きを解説します。
また後半では、来月(2026年8月)から日本年金機構より順次発送される「公金受取口座登録の意向確認書」の概要や注意点についてまとめました。
年金シニアの親御さんがいらっしゃるみなさん&もうすぐ年金生活がスタートするみなさんの参考になればと思います。
年金は老後の生活を支える大切な命綱ですが、「制度が複雑でよくわからない」というお悩みも多く耳にします。
今回は、直近の支給日や2026年度の改定内容といった基本から、8月から始まる新しい手続きまで、知っておくべきポイントをわかりやすく整理しました。
1. 2026年度の年金額改定と、今後の支給スケジュール
毎年見直しが行われる公的年金ですが、2026年度(令和8年度)は物価や賃金の上昇を反映し、国民年金が前年度比1.9%、厚生年金が2.0%の引き上げとなりました。
2026年度の受給額の目安は以下の通りです。
- 国民年金(満額):月額70608円(前年度比+1300円)
- 厚生年金(標準的な夫婦2人分):月額237279円(前年度比+4495円)
4年連続のプラス改定ですが、物価上昇率(3.2%)には追いついておらず、実質的な価値は目減りしているため、計画的な家計管理が求められます。
年金は「原則として偶数月の15日に、直前2カ月分が後払いで支給」されます。
15日が土日祝日の場合は直前の営業日に前倒しされます。 2026年後半の支給日カレンダーは以下の通りです。
- 2026年 8月14日(金):2026年6月・7月分
- 2026年10月15日(木):2026年8月・9月分
- 2026年12月15日(火):2026年10月・11月分
次回の振り込みは8月14日(金)です。
6月支給分から新しい年金額が適用されているため、次回入金時にもご自身の受給額を確認しておきましょう。
2. みんなはいくらもらっている?平均受給額と「ねんきん定期便」の活用
日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造であり、現役時代の働き方や収入により受給額には大きな個人差が生じます。
2.1 厚生年金・国民年金の平均はいくら?
令和6年度(2024年度)時点の平均受給月額は以下の通りです(厚生年金は第1号被保険者のデータ※注1)。
厚生年金(※国民年金部分を含む)
- 男女全体:15万289円
- 男性:16万9967円
- 女性:11万1413円
国民年金
- 男女全体:5万9310円
- 男性:6万1595円
- 女性:5万7582円
厚生年金は現役時代の収入や加入期間が反映されるため、離職の影響を受けやすい女性と男性との間で約6万円の差が生じています。
国民年金の男女差は小さいものの、全体平均は約5.9万円であり、未納や免除の影響で満額に届いていない実態がうかがえます。
将来の受給額把握には「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用しましょう。
2.2 「ねんきん定期便」の記載内容は50歳を境に変わる!
毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」は、50歳を境に記載内容が変わります。
50歳未満の人に届くねんきん定期便
「これまでの加入実績に応じた年金額」が記載。今後の納付分は含まれないため少なく見えますが、納め続ければ増えていきます。
50歳以上の人に届くねんきん定期便
現在の条件で60歳まで納め続けたと仮定した「65歳から受け取れる年金見込額」が記載され、よりリアルな数字を確認できます。
「ねんきんネット」を利用すれば、スマートフォン等でいつでも最新記録を確認可能です。
早いうちから正確な数字を把握し、老後資金の計画を立てましょう。
3. 忘れてはいけない「年金請求手続き」と「繰下げ受給」
年金を受け取る上で最大の注意点は、「受給年齢になっても自動的には振り込まれない」ことです。
日本の年金制度は「申請主義」であり、自ら請求手続きを行わなければ受け取れません。
受給開始年齢の3カ月前に日本年金機構から「年金請求書」が届きます。記入後、必要書類を添えて提出しましょう。
また、本来65歳から受け取る老齢年金を、66歳から75歳までの間で遅らせて受け取る「繰下げ受給」という制度もあります。
受給開始を1カ月遅らせるごとに年金額が0.7%ずつ増額され、75歳まで遅らせた場合は最大84%の増額となります。
繰下げ受給を検討する方には、66歳から74歳の間、毎年誕生月に「繰下げ見込額のお知らせ」が届きます。
ご自身の健康状態や就労状況に合わせて、最適な受給開始時期を判断しましょう。
年金は「待っていれば自動的にもらえる」ものではない点に注意が必要です。
特に繰下げ受給は、ご自身の健康状態や家計状況を踏まえた慎重な判断が求められます。
50歳を過ぎたら、ねんきん定期便に記載される「見込額」をもとに、具体的な老後の生活費を一度シミュレーションしてみることをおすすめします。
4. 【コラム】8月から送付スタート「公金受取口座登録の意向確認書」とは
ここからは年金受給者の皆様にとって、今後の最重要ポイントとなるお知らせです。
法改正により、現在年金を受け取っている口座の情報をデジタル庁に提供し、今後の給付金等をスムーズに受け取るための「公金受取口座」として登録できるようになりました。
これに伴い、来月(2026年8月)から、「公金受取口座として登録することに同意するか」を確認する意向確認書が送付されます。今後のスケジュールと対象者を時系列で整理しました。
4.1 【STEP 1】対象者の確定(2026年4月時点)
送付対象は、「2026年4月15日時点で65歳以上であり、年金を受給している方」です。 ただし、以下の条件に該当する方には届きません。
- 公金受取口座をすでに登録している方
- 令和8年4月に年金が支払われなかった方(全額支給停止、振込不能)
- 国外に居住している方
- 共済組合等から支給される年金のみを受給している方
- 令和7年6月以降の年金請求手続きにおいて、公金受取口座への登録意思表示をした方など
4.2 【STEP 2】詳細発表・専用ダイヤル開設(2026年8月上旬)】
8月に手続きの詳細が公表され、疑問がある場合の問い合わせ先として、8月4日(火)から「意向確認書照会専用フリーダイヤル」が開設されます。
マイナンバー全般は『マイナンバー総合フリーダイヤル』でも確認可能です。 なお、市区町村や年金事務所の窓口では対応していません。
4.3 【STEP 3】書類の発送(2026年8月〜2027年2月)
意向確認書は、2026年8月から翌年2月(予定)にかけて、簡易書留で順次発送されます。
4.4 【重要!】便乗詐欺には警戒を
最も注意していただきたいのが、手続きの開始時期を狙った「詐欺」です。
「手続きを代行する」「登録に手数料が必要」と言ってATMの操作を促したり、口座番号や暗証番号を聞き出そうとする詐欺の多発が懸念されます。
公的機関が電話で暗証番号を聞き出したり、ATM操作を促すことは絶対にありません。
怪しいと感じたらすぐに電話を切り、家族や警察に相談してください。
5. まとめ
公的年金は、老後の生活を支える大切な資産です。
次回の8月14日の支給日や、2026年度の改定額をしっかりと把握し、「ねんきん定期便」で将来の計画を立てておくことが重要です。
また、来月から始まる「公金受取口座登録の意向確認書」の手続きは、今後の給付金受け取りを便利にするためのものですが、時系列を正しく理解し、便乗した詐欺にはくれぐれも警戒してくださいね。
制度を正しく理解し、安心できるセカンドライフを計画していきましょう。
新しい公的手続きが始まると、それに便乗した詐欺が必ずと言っていいほど発生します。
少しでも「おかしいな」と思ったら、一人で悩まずに家族や公的機関の専用ダイヤルに相談してくださいね。
(※注1)厚生年金の被保険者は第1号から第4号まで区分されています。今回紹介している「第1号」は民間企業の会社員などを指し、「第2号」は国家公務員、「第3号」は地方公務員、「第4号」は私立学校教職員と分類されています。







