物価の上昇が続き、生活費の負担が重くなっていると感じる方も増えています。
特に年金に頼る世代にとって、物価の動向は将来設計に直結する大きな問題といえるでしょう。
2025年度の年金支給額は、前年に比べて1.9％引き上げられることが決まりました。一見すると良いニュースのように思えますが、物価や賃金の上昇率と比べると控えめな増額にとどまっています。
そもそも年金はいくら支給されているのでしょうか？また年金受給者は年金のみで生活することは可能なのでしょうか？
各調査データをもとに、年金受給者のリアルについて見ていきましょう。
また、なぜ引き上げ率が1.9％に設定されたのか、その理由も最後に解説していきます。
1. 2025年度は年金額が1.9％増額！
公的年金は物価や賃金の変動を反映して毎年見直されています。2025年度の年金額は、2024年度より1.9％引き上げられました。
公表された年金額例では、国民年金（老齢基礎年金）は満額で月額6万9308円です。
厚生年金は「厚生年金を受け取る会社員の夫＋国民年金を受け取る妻」の世帯をモデルケースとして、月額23万2784円になっています。
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円（対前年度比＋1300円）
※厚生年金は「男性の平均的な収入（平均標準報酬（賞与含む月額換算）45万5000円）」で40年間就業した場合に受け取り始める年金（老齢厚生年金と２人分の老齢基礎年金（満額））の給付水準
なお、2025年4月分の増額改定分は6月13日に振り込まれます。
次章では、公的年金の仕組みについておさらいしましょう。
