7. 【年金の基本】2025年度の年金は、いつ振り込まれる?
2025年度に1.9%増額される年金ですが、「いつから増えた年金を受け取れるのだろう?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
ここでは、知っておきたい「年金の基本」について説明します。
7.1 Q 1.9%増額した2025年度の年金、いつから受け取れる?
→A 4月分、5月分を合わせて、6月13日に振り込まれます。
日本の年金は、原則として偶数月の15日に、前月までの2カ月分がまとめて支払われます。15日が土曜日、日曜日、祝日の場合、その直前の平日に支給日が繰り上がります。
今回の1.9%の改定率が適用されるのは、2025年4月分の年金から。そのため、その2カ月後である6月13日の支給日に、増額された金額を受け取ることができるのです。
2025年の年金支給日をまとめたカレンダーは以下のとおりです。
【一覧表】2025年 年金支給日カレンダー
出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成
- 年金支給日:支給対象月
- 2025年4月15日(火) :2月・3月分
- 2025年6月13日(金) :4月・5月分
- 2025年8月15日(金) :6月・7月分
- 2025年10月15日(水) :8月・9月分
- 2025年12月15日(月) :10月・11月分
ご自身の年金がいつ振り込まれるか、確認しておきましょう。
8. なぜ年金の増額は1.9%?物価上昇率と比較して多い?少ない?
2025年度の年金支給額は1.9%の引き上げが予定されています。
年金の支給額は毎年、物価や賃金の変動を基に見直される仕組みとなっており、2024年の物価上昇率は2.7%、過去3年間の名目賃金の平均上昇率は2.3%でした。
これらの数値から考えると、より高い引き上げ率が期待されましたが、実際には1.9%にとどまっています。
これは、年金制度の持続可能性を守るために導入された「マクロ経済スライド」という仕組みによるものです。
マクロ経済スライドは、現役世代の減少や平均寿命の延びに対応し、年金支給額の増加を一定の範囲に抑える役割を持っています。
今回もこの調整機能が適用され、物価や賃金の上昇幅を下回る引き上げ率に設定されました。
短期的には控えめな増額ですが、長期的な制度の安定を見据えた調整であることを理解しておくことが大切です。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「いっしょに検証!公的年金 公的年金の仕組み」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
三石 由佳