【警察犬の費用】警察犬の育成・維持にはどんなお金がかかっているのか
令和8年度概算要求額の内訳や前年度からの変動について解説
出所:PeopleImages/shutterstock.com
事件捜査や行方不明者の捜索などで活躍する警察犬。
「警察犬を維持するにはどのくらい費用がかかるんだろう?」「エサ代や医療費の内訳は?」
と、警察犬を支えるお金の仕組みについて気になる方もいるのではないでしょうか。
今回は警察庁の資料をもとに解説していきます。
1. 【警察犬の費用】令和8年度の概算要求額は411万6000円
1.1 警察犬関係経費の概要
警察犬の運用や維持に関わる経費(全体)は、飼料費や医療費の増額に伴い、前年度より増加しています。
令和8年度 概算要求額:411万6000円
(前年度予算額:344万円:対前年度比較:67万6,000円の増加)
1.2 費目別の内訳
費目ごとの詳しい内訳についても見ていきましょう。
費目別の内訳を見ると、警察犬の日々のエサ代等に係る「警察犬飼料費」は、前年度の149万3000円から54万円増加して203万3000円となり、前年度から最も大きく増加しています。
また、警察犬の健康維持や治療、薬品調達に充てられる「薬品及び医療費」は、前年度より13万6000円増の46万1000円が要求されています。
一方、訓練用資機材や装着具等の調達費である「警察犬犬具・訓練具等」については、前年度と同額の162万2000円の予算が計上されています。
2. 【監修者コメント】増額の8割は"エサ代" ― 警察犬予算に映る物価高
2.1 令和8年度は411万6000円、67万円の増額要求
私はアナリストとして、予算や決算は「総額」より「どの費目が動いたか」で読むと本質が見えると考えてきました。警察犬の経費も、その好例です。内閣府の令和8年度歳出概算要求書によれば、警察犬関係の要求額は411万6000円で、前年度の344万円から67万6000円の増額となっています。
2.2 増えた分の主役は「飼料費」だった
この67万6000円の増加を分解すると、飼料費の増加が54万円。じつに増額分の約8割を、エサ代の値上がりが占めています。一方で、犬具・訓練具などは162万2000円で前年度と同額に据え置かれています。つまり「価格が動く費目(飼料・医療費)」と「動かない費目(訓練具)」がくっきり分かれているのです。私たちの家庭でエサ代や食費がじわじわ効いてくるのと同じ構図が、公的な予算にもそのまま表れている――物価高は、家計にも役所にも等しく及んでいる、ということです。
2.3 予算は「中身」で読む
ですから、予算や家計の数字を見るときは、総額の増減に驚くよりも、「どの費目が、なぜ動いたのか」に目を向けると、値上がりの正体がつかめます。警察犬という、ふだんはあまり意識しない支出からも、いまの物価の動きは読み取れる。数字は、その中身まで見てこそ、多くを語ってくれるのではないでしょうか。
泉田良輔(CMA)
3. まとめ
地域の治安維持や捜査の現場で頼もしいパートナーとして活躍する警察犬ですが、その維持・運用に必要な費用は「飼料費」「医療費」「訓練具等」といった各費目ごとに適切に管理・計上されています。
私たちが日常で感じている安心・安全の裏側には、警察犬たちの活躍と、彼らを支えるこうしたしっかりとした予算運用が存在しています。
ニュースなどで警察犬の活躍を見かけた際には、彼らの活動を陰で支える費用や管理体制にも目を向けてみると良さそうですね。
参考資料
LIMOSNS部
著者
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監修者
株式会社モニクルリサーチ
代表取締役/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
株式会社モニクルリサーチ代表取締役。その他に株式会社モニクル取締役COO、株式会社モニクルフィナンシャル取締役COOも務める。LIMO&ファイナンス編集長。東京科学大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了(同研究科最優秀賞受賞)
1. 経歴
2013年に株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を原田慎司(現同社取締役)らとともに共同創業。2013年に個人投資家向け金融経済メディア「Longine(ロンジン)」を立ち上げ、編集長に就任。Longineの立ち上げの経緯はBloombergにおいて「体力勝負アナリスト辞めます、元外資マン個人に長期投資指南」として掲載され大きな反響を呼ぶ。投資情報のサブスクモデルを確立する。その後、株初心者向けネットメディア「株1」、2015年にはくらしとお金の経済メディア「LIMO」の前身となる「投信1」を立ち上げる。2026年6月に専門家と実務家が情報発信をする金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」を立ち上げ編集長に就任。
それ以前は、日本生命・国際投資部で外国株式ファンドマネージャー、フィデリティ投信・調査部や運用部にて10年に渡ってインターネット、電機(半導体・民生・産業エレクトロニクス)、機械(ロボットやセンサー企業中心)といったテクノロジーセクターの証券アナリストや中小型株ファンドのアシスタント・ポートフォリオ・マネージャー(最年少で就任)として従事。
2. 専門・研究領域
慶応義塾大学商学部卒業。国際金融及びコーポレート・ガバナンスを専攻。アジア通貨危機、昭和金融恐慌などの金融パニックのメカニズムを金融政策や金融機関への規制の観点から研究。それらの内容は「昭和金融恐慌からの教訓 平成恐慌になにをどう生かすべきか」(三田商学研究学生論文集)として発表。
3. 著書
・『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資』(ダイヤモンド社)
・『テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図』(クロスメディア・パブリッシング)
・『銀行はこれからどうなるのか』(クロスメディア・パブリッシング)
・『Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない』(KADOKAWA)
・『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』(日本経済新聞出版社)
4. 寄稿や講演他
「日経BizGate」での連載「泉田良輔の新・産業鳥瞰図」や「現代ビジネス」、「東洋経済オンライン」、「プレジデント」などへの寄稿や対談も多数。対談記事例としては「【未来予想】ブロックチェーン革命が、「半沢直樹」の世界に終わりを告げる」や「【未来予想】アマゾンとビットコインが、次世代の「銀行」になる理由」(いずれもNewsPicks)、「米独に遅れる日本の自動運転、自動車も電機の二の舞に?」(週刊ダイヤモンド)。海外ジャーナリストからインタビューされることも多く、Financial TimesやThe Economist、Bloombergにおいて自動車や金融業界についての国内外産業動向コメントも発信している。
講演会や動画での情報発信も盛んに行っており、NewsPicksのTHE UPDATE、日経ビジネススクール、慶應丸の内キャンパス、慶應義塾SDM、アカデミーヒルズなどでも講義を行う。またNewsPicksのNewSchoolではプロジェクトリーダーとして「本当に初心者のための資産運用」を開催。
最終更新日:2026年6月26日