株主優待を受けるために必要なのは、その企業の株主になることです。そして、ひとたび株主になれば、その企業の株価が今後どうなるかが気にならない人はいないでしょう。

どんなに株主優待の内容が優れているからといって、自分が購入した時の株価と比べて今の株価が大きく下落したのでは意味がありません。株主優待をきっかけに株式に投資をしたという場合でも、その企業の業績と株価には注意したいものです。

過去1年の株価動向

最後に同社の株価動向をチェックしておきましょう。

同社の株価を一言でいえば、急落した後に3000円台を挟んでもみ合いの展開といえるでしょう。1年前は5000円台をつけていたものの、その後急落。4000円台から3000円台へと下落し、現在は2800円台となっています。

今後は、既存店売上高、特に客数の戻りに注目です。また、中長期的に新規出店の余地がどの程度あるのかにも注目です。

まとめにかえて

多くの投資家を惹きつけてやまない株主優待ですが、実は一部では批判もあります。長期で保有する株主からすれば、「短期で売買を繰り返す株主に優待を提供するのはいかがなものか」というものです。

株主優待は自社サービスや商品の一部に関連する内容を提供する企業も多いですが、現金同等物のような内容の企業もあります。これは発行体からすれば確実なキャッシュアウト(現金流出)となります。短期間しか株主でない投資家のために、なぜ費用をかけなければならないのかという観点です。

株主優待制度そのものはより多くの投資家に株主になってもらいたいという前提があるというのはどこの発行体でも変わりがないでしょう。株主優待の内容が改悪、最悪の場合には廃止されてしまうと元も子もありません。発行体では長期の株主を優遇する仕組みも整いつつありますが、今後もその流れは続いていくでしょう。

日本人の個人投資家からすると、「配当には課税をされるが、株主優待には課税をされない」ため、株主優待は税金を考えれば「お得だ」という意見もあります。ぜひ、皆さんも株主優待でお得なライフスタイルを確立されてみてはいかがでしょうか。

【補足】株主のメリットは株主優待だけではない

株主のメリットはここまで見てきたような株主優待内容だけではありません。株主の権利としてより中心なポイントとしては、配当を受ける権利であります。配当を出している企業であれば、年に2回、上期と通期決算のタイミングで配当が支払われますことがあります。

会社の業績が良ければ増配されることもありますし、投資先などがない場合も配当を増やす企業もあります。株主優待の内容もさることながら、投資先企業の業績内容を確認して、配当が増えていくのを期待するのもの株式投資の醍醐味です。

【注意点】株主優待を受けるために気を付けておきたいこと

株主優待を受けるためにはいわゆる「株主名簿」に株主として氏名が記載されていないといけません。「株主権利確定日」といわれる決算期末日に株主として記載されていなければなりません。

たとえば、決算期末日に売買をしたのでは、株主名簿に氏名が記載されません。株主権利確定日を含む4営業日前までに株式を購入する必要があります。

また、証券会社によっては単元未満株のサービスがありますが、株主になるためには最低の単元株式数を保有しておく必要があります。単元株とは、通常の株式の売買で取引される単位です。たとえば、100株というような単位となっています。銘柄ごとにご確認ください。

【ご参考】株主優待をはじめるにあたって必要なこと

証券会社を通じて株式を購入する必要があります。証券口座を開設するまでにはある程度時間が必要ですので、株主優待に興味のある方でまだ証券口座をお持ちでない方は前もって口座を開設しておくことをおすすめします。

余談ですが、株式投資をする際には、少額投資非課税制度である「NISA(ニーサ)」などを活用すれば非解税枠を利用することもでき、さらに「お得な株式投資」をすることができます。

【参考資料】

串カツ田中HD「株式情報」

青山 諭志