老後生活に向けた準備は進んでいますか。
なかには、資産運用を活用した「老後資金の準備」を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、60歳代が考える「年金支給時に最低準備しておく金融資産残高」は平均2110万円、「ひと月当たりの最低生活費」は平均31万円となっています。
今回は、50歳から新NISAを活用して「15年間で2000万円を作る」には、毎月どれほど積み立てる必要があるのかシミュレーションした結果をご紹介します。
新NISAのメリットや「6つの特徴」についても解説しますので、資産運用に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
1. 「今さら聞けない」新NISAを活用する《メリット》とは?
NISA(ニーサ)は、2014年に開始された資産形成支援のための制度です。
2024年に制度が見直されて「新NISA」として改定されています。
新NISA制度の大きなメリットは、投資で得た利益に対して課税がされないことです。
通常、利益や配当金には20.315%の税金がかかりますが、新NISAを活用することでこれらの税金が免除され、利益をまるごと受け取ることが可能になります。
ただし、NISAでは投資可能な金額や対象となる商品に一定の制限があるため、利用前に押さえておきたいポイントを確認しておくことが重要です。
1.1 「新NISA」の6つの特徴とは?
「新NISA」の主な特徴は、以下の6つです。
- 非課税保有期間は無期限
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
- 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
- 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
- つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
- 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」
「投資」という言葉から、まとまった資金が必要と思われがちですが、実際には500円や1000円といった少額から始められる商品が増えています。
新NISAを活用すれば、投資信託や株式も少額で購入することが可能です。
次章では、毎月コツコツ積み立てた場合に、将来どれくらいの資産が築けるのかシミュレーションを行ってみましょう。
2. 【新NISA・積立額別にシミュレーション】15年間で「2000万円」を作るには?
老後に必要な資金は、世帯ごとのライフスタイルによって異なります。
ここからは、老後生活を迎えるまでに「2000万円用意することを目指す」場合、50歳から65歳までの15年間で毎月どれほど積み立てる必要があるかをシミュレーションした結果をご紹介します。
2.1 【シミュレーション結果を確認】「15年間」×想定利回り3%で積立投資
【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成
毎月の積立金額:15年後の資産評価額(元本)
- 1万円:227万円(180万円)
- 3万円:680万9000円(540万円)
- 6万円:1361万8000円(1080万円)
- 9万円:2042万8000円(1620万円)
- 12万円:2723万7000円(2160万円)
※想定利回り:年3%
金融庁のつみたてシミュレーターでシミュレーションした結果によると、年利3%で15年間運用した場合、毎月9万円の積立で「2042万8000円」の資産を築けることがわかりました。
15年間の元本は1620万円となるため、年率3%の積立投資により422万8000円の利益を得たことになります。
通常は、この利益に対して20.315%の税金がかかりますが、新NISAを活用すると非課税となるメリットが得られます。
しかし、毎月9万円の積立は決して「少額」とは言えない金額です。
さらに、今回ご紹介したのはあくまでも年率3%でのシミュレーション結果であり、実際の資産運用においては利回りは保証されたものではないため、思い通りに運用できず目標額に届かないリスクもあります。
老後資金のために積立投資を行う際のポイントは、できるだけ早めにスタートすることです。
20歳代や30歳代で始めても決して早すぎることはなく、たとえば、年利3%で30歳から65歳までの35年間積み立てる場合、毎月の積立額は「2万6971円」となります。
資産運用には価格変動リスクは伴いますが、時間を味方につけて積立投資の期間を長く確保することで、複利の効果により利益を得ることが期待できます。
3. まとめにかえて
今回はNISA制度についてのおさらいと、実際に積立投資した場合のシミュレーションをおこない、どういう風に資産形成されていくかを見てきました。
NISAは2024年度から制度が新しく変わり、年間の投資上限額が増えたり、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になる等、以前のNISAと比べると使いやすく柔軟性が高い制度になっています。
資産運用に抵抗があるという方でも、新NISAは少額から投資ができるので「家計の余剰資金」の活用方法として1つの選択肢となるでしょう。
昨今は物価高の影響で生活が困窮している世帯が増加傾向にあり、老後への不安から資産運用に対して興味を持つ方が増えています。
今回ご紹介したのは、あくまでもシミュレーション結果となっており、実際の資産運用においては利益が期待できるだけでなく価格変動リスクなどが伴います。
新NISAの活用を検討される際は、まずは金融商品ごとに異なる特徴をよく理解したうえで、家計の資産全体のバランスやご自身のリスク許容度などを確認することからはじめましょう。
4. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
4.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
4.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
4.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。



