2. 【新NISA・積立額別にシミュレーション】15年間で「2000万円」を作るには?
老後に必要な資金は、世帯ごとのライフスタイルによって異なります。
ここからは、老後生活を迎えるまでに「2000万円用意することを目指す」場合、50歳から65歳までの15年間で毎月どれほど積み立てる必要があるかをシミュレーションした結果をご紹介します。
2.1 【シミュレーション結果を確認】「15年間」×想定利回り3%で積立投資
【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果
出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成
毎月の積立金額:15年後の資産評価額(元本)
- 1万円:227万円(180万円)
- 3万円:680万9000円(540万円)
- 6万円:1361万8000円(1080万円)
- 9万円:2042万8000円(1620万円)
- 12万円:2723万7000円(2160万円)
※想定利回り:年3%
金融庁のつみたてシミュレーターでシミュレーションした結果によると、年利3%で15年間運用した場合、毎月9万円の積立で「2042万8000円」の資産を築けることがわかりました。
15年間の元本は1620万円となるため、年率3%の積立投資により422万8000円の利益を得たことになります。
通常は、この利益に対して20.315%の税金がかかりますが、新NISAを活用すると非課税となるメリットが得られます。
しかし、毎月9万円の積立は決して「少額」とは言えない金額です。
さらに、今回ご紹介したのはあくまでも年率3%でのシミュレーション結果であり、実際の資産運用においては利回りは保証されたものではないため、思い通りに運用できず目標額に届かないリスクもあります。
老後資金のために積立投資を行う際のポイントは、できるだけ早めにスタートすることです。
20歳代や30歳代で始めても決して早すぎることはなく、たとえば、年利3%で30歳から65歳までの35年間積み立てる場合、毎月の積立額は「2万6971円」となります。
資産運用には価格変動リスクは伴いますが、時間を味方につけて積立投資の期間を長く確保することで、複利の効果により利益を得ることが期待できます。
3. まとめにかえて
今回はNISA制度についてのおさらいと、実際に積立投資した場合のシミュレーションをおこない、どういう風に資産形成されていくかを見てきました。
NISAは2024年度から制度が新しく変わり、年間の投資上限額が増えたり、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になる等、以前のNISAと比べると使いやすく柔軟性が高い制度になっています。
資産運用に抵抗があるという方でも、新NISAは少額から投資ができるので「家計の余剰資金」の活用方法として1つの選択肢となるでしょう。
昨今は物価高の影響で生活が困窮している世帯が増加傾向にあり、老後への不安から資産運用に対して興味を持つ方が増えています。
今回ご紹介したのは、あくまでもシミュレーション結果となっており、実際の資産運用においては利益が期待できるだけでなく価格変動リスクなどが伴います。
新NISAの活用を検討される際は、まずは金融商品ごとに異なる特徴をよく理解したうえで、家計の資産全体のバランスやご自身のリスク許容度などを確認することからはじめましょう。