3. 70歳以上・二人以上世帯「老後の貯蓄が100万円未満の世帯」は何パーセント?
貯蓄額の世帯差についても見てみましょう。
3.1 70歳以上・二人以上世帯「貯蓄額の世帯差を見る」
70歳以上の貯蓄現在高階級における世帯数(抽出率調整済実数)

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2024年(令和6年)平均結果―(二人以上の世帯)詳細結果表第8-30表」をもとに筆者作成
- 100万円未満:15万9831世帯(8.58%)
- 100~200万円未満:5万9920世帯(3.22%)
- 200~300万円未満:6万1401世帯(3.30%)
- 300~400万円未満:7万4597世帯(4.00%)
- 400~500万円未満:6万3124世帯(3.39%)
- 500~600万円未満:6万3329世帯(3.40%)
- 600~700万円未満:5万1045世帯(2.74%)
- 700~800万円未満:5万4332世帯(2.92%)
- 800~900万円未満:6万1851世帯(3.32%)
- 900~1000万円未満:5万2605世帯(2.82%)
- 1000~1200万円未満:9万442世帯(4.85%)
- 1200~1400万円未満:8万1566世帯(4.38%)
- 1400~1600万円未満:9万8132世帯(5.27%)
- 1600~1800万円未満:6万814世帯(3.26%)
- 1800~2000万円未満:5万8849世帯(3.16%)
- 2000~2500万円未満:14万2789世帯(7.66%)
- 2500~3000万円未満:10万6746世帯(5.73%)
- 3000~4000万円未満:16万9035世帯(9.07%)
- 4000万円以上:35万2856世帯(18.94%)
総世帯数:186万3264世帯
70歳以上世帯の貯蓄額分布を見ると「100万円未満」の世帯は8.58%。全体の1割弱を占めています。
また、約1500万円が全世帯の中間点となっていますね。ほぼ5割の世帯が1500万円未満の貯蓄を持ち、残りの約5割が1500万円以上を保有しています。
しかし、実際の貯蓄状況は、この中間点だけでは語れません。貯蓄額の二極化が顕著で、全世帯の約12%が貯蓄200万円未満と少ない一方、4000万円以上を保有する世帯は約19%にのぼります。
すでにリタイア後の世帯が多い70歳以上でありながら、3000万円以上の貯蓄を維持している世帯が全体の約28%にものぼる点は注目すべきでしょう。
こうした貯蓄額の大きな差が生じる背景には、定年退職金や親族からの相続といった大型収入の影響が考えられます。
もちろん、シニアの暮らしぶりを左右するのは貯蓄額だけではありません。負債の有無やその金額、健康状態、持ち家の有無、子ども世帯との同居・近居、介護の必要性など、様々な要素が日々の暮らし向きや生活設計に影響します。
貯蓄額が少なくても安心して暮らせる世帯もあれば、多額の貯蓄があっても不安を感じる世帯もあるのです。