「40歳の壁」をご存知でしょうか。

人生も中盤にさしかかると、これまでの自身の職歴や経験などを振り返り、今後のキャリアに不安を抱える人も少なくありません。

子どもの成長や体力の衰えも少しずつ感じ、残りの現役時代をどう過ごそうか、老後に向けて何を備えようかと迷うことが多いのが40歳です。

また、専業主婦から共働き世帯が主流に変わり、そのはざまでキャリアや生き方に悩む方も多い年代でしょう。

ヒューマンホールディングス株式会社が、企業や組織・団体に勤務している1985年生まれの男女1000名を対象に行った「40歳のキャリア実態と『なりたい自分』意識調査2025」によれば、「今後のキャリアの方向性がわからない」のと答えている人は65.4%にものぼります(2025年6月13日公表)。

今回は40歳代に視点をあてて、そのお金事情などについてみていきましょう。

1. 40歳「キャリアの方向性がわからない」6割。「老後の生活資金」は75.0%が不安

ヒューマンホールディングス株式会社「40歳のキャリア実態と『なりたい自分』意識調査2025」によると、「何歳まで働きたいと思いますか」という質問に対して、「61歳~65歳」が24.3%、次に「動けるうちはずっと」が23.6%、「56~60歳まで」が18.5%、「66~70歳まで」が12.0%などとなっています。

厚生労働省「令和7年版 高齢社会白書」によれば、2024年の65歳以上の就業率は以下の通り。

1.1 最新の就業率

  • 65~69歳:54.9%
  • 70~74歳:35.6%
  • 75歳以上:21.2%

現代では60歳代後半でも半数以上の人が働いており、長く働こうと考える人は多いでしょう。

一方で、「今後のキャリアの方向性がわかっているか」という質問に対しては、「方向性がわからない」(19.5%)」、「どちらかといえば方向性がわからない(45.9%)」、合計で65.4%となっています。

40歳は転職も可能な年代。残りの人生を考えて、本当にやりたい仕事についても考えやすい時期でしょう。

悩みが多い時期ですが、迷うことができるということは選択肢や可能性があるということですから、大切なことかもしれません。

また、「老後の生活資金」については75.0%が不安と回答。

老後も見えてくる年代ですが不安な人も多いとわかります。