「住民税非課税世帯」とは、世帯の全員が、住民税における「均等割」および「所得割」の両方を課されていない世帯のことを指します。

厚生労働省が公表した「令和5年 国民生活基礎調査」によれば、75歳以上の高齢者のおよそ半数がこの住民税非課税世帯に該当するとされています。

つまり、現代の日本ではシニア世帯の約2世帯に1世帯が住民税非課税の状態にあると言えます。

こうした背景を受けて、国や自治体では該当世帯を対象としたさまざまな支援策を実施しています。

本記事では、住民税非課税のシニア世帯が利用できる7つの支援制度について紹介します。

1. 【給付金】シニア世代の住民税非課税世帯が対象の支援策2選

まずは、シニア世代の住民税非課税世帯が対象の申請をすれば受け取れる「お金」について見ていきましょう。

1.1 老齢年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金は、年金だけでは生活が厳しいとされる方の生活の安定を図るために設けられた支援制度です。

この支援を受けるには、「国民年金」「障害年金」「遺族年金」のいずれかをすでに受給している必要があり、さらに一定の要件を満たすことが条件となります。

たとえば、国民年金(老齢基礎年金)を受給している方が、以下全ての条件を満たしている場合は「老齢年金生活者支援給付金」を受給することができます。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
  • 前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下※2である。

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

2025年度の老齢年金生活者支援給付金は、月額で5450円と定められており、仮に基準額通りの金額が支給された場合、年間の受給総額はおよそ6万5400円となります。