6. 《年金額改定の推移》年金は「減額」されることもあるんだ…
冒頭で申し上げたとおり、2025年度は年金額が増額改定されていますが、過去には減額になったことも。
以下の《年金額改定の推移グラフ》を見ると、年金額が増減していることがわかります。
増額になったとしても物価上昇率を上回ることはありません。それでも、前の年より受け取れる年金額が増えるのは嬉しいものです。
しかし、年金額が減額されるとなれば見過ごせません。減額率にもよりますが、家計への影響は小さくないでしょう。
このように、老後は年金をどのくらい受け取れるかはわからないですし、受給開始後も多少の変動があります。
老後に向けて資産形成を進める際には、こうした仕組みも踏まえておきましょう。また、年金制度は5年に1度、見直しが行われています。
年金の「健康診断」ともいわれ、定期的にチェックをしてメンテナンスが行われるのです。
いまある仕組みが今後も必ず継続するとは限りません。年金受給者・保険料を負担する現役世代の双方にとって長い目で見て不利にならぬよう調整が行われていますが、どのように変わるかはわかりません。
毎年の年金額改定の推移とあわせて、年金制度がどのように改正されていくかもチェックしておきましょう。
参考資料
和田 直子
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
元銀行員/一種外務員資格(証券外務員一種)/LIMOマネー編集部金融ライター
一種外務員資格(証券外務員一種)。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行に入社。三井住友信託銀行に転職後、資産運用アドバイザー業務に約10年間従事。
現役世代からシニア富裕層までの幅広い個人顧客に対し、資産運用コンサルティングを行う。
<主な専門領域>
投資信託、ファンドラップ、外貨預金、生命保険、医療保険、住宅ローン、事業性ローン、贈与、相続、遺言信託、不動産など、多岐にわたる金融サービスと承継対策をワンストップで提案。特に、長期的な資産形成や富裕層向けのウェルスマネジメント、シニア世代への承継・相続の分野で豊富な知識と実績を持ち、表彰歴多数。
現在は、株式会社モニクルリサーチが運営する「くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のマネー編集部にて企画・執筆・編集・監修を担当。
厚生年金保険と国民年金保険(老齢年金・障害年金・遺族年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、資産運用を専門とする。
NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローンなどの国民生活に直結する金融情報を始め、FX、株式投資、金(ゴールド)などの投資経験をいかし仕組みやリスクなどを分かりやすく解説。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数達成【2025年10月7日更新】