6月13日は年金支給日ですね。現在、一般的な老齢年金の受給スタート年齢は65歳ですが、最近では働き続けるシニアが増えています。

内閣府が公表した「令和7年版高齢社会白書」によると、65歳以上の就業者数と就業率は上昇傾向にあります。

2024年時点の就業率を2014年と比べると、65歳~69歳では13.5ポイント、70歳~74歳では11.1ポイント、75歳以上では3.9ポイントの伸びとなりました。

さらに細かく見ると、男性は、60歳~64歳で84.0%、65~69歳で62.8%が仕事に就いているという結果が出ています。

年金を受給しながら、体力やライフスタイルに合わせて仕事を続ける選択肢が、身近になりつつあることもうかがえますね。

今回は「令和のシニア世代」がどの程度年金を受け取れているかを見ていきます。年金制度の基本や最新の年金額改定についても整理してお伝えしていきます。

1. 国民年金と厚生年金「しくみ図で制度の基本を解説!」

「日本の年金制度は2階建て」と言われます。1階部分が「国民年金(基礎年金)」、2階部分が「厚生年金」です。

まずは、それぞれの年金の基本を確認しましょう。

1.1 1階部分:国民年金

  • 加入対象者はどんな人?:原則として日本に住む20歳から60歳未満の全員(職業や国籍は問わない)
  • 年金保険料はいくら?:全員一律、ただし年度ごとに改定あり(※1)
  • 老後の受給額はどう決まる?:保険料を全期間(480カ月)納付すれば満額の老齢基礎年金を受給できる(※2)

※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円

1.2 2階部分:厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入

  • 加入対象者はどんな人?:会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした方
  • 年金保険料はいくら?:収入に応じて(上限あり)変わる(※4)
  • 老後の受給額はどう決まる?:加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすい

※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。

国民年金と厚生年金は、加入対象者、保険料の仕組み、将来受け取れる年金額など、上記のような違いがあります。

これらの違いを理解して、自分の年金受給額を計算し、収入を予測しながら、将来の生活設計を考えていくとよいでしょう。

次章で、2025年度に1.9%増額した年金額について解説します。