上記は小さな例えですが、たとえば仕事や金銭面といったことでも、最終的な責任を親が引き受けてしまう面が見受けられます。「責任逃れ」を続けると、自ら考えたり、自制心や自信をつけることができなくなってしまうのではないでしょうか。

母親の愛情に不安を感じていた

3点目に気になるのが、夫と義母の関係です。周囲や世間体を気にするタイプの義母は、本来は育児よりも、家事が好きなように感じられます。夫の子ども時代は、義理の親戚が何組も近くに住む環境の中、夫を育てていたようです。

ありのままでいて、ありのままの愛情を注いだというよりは、世間体を気にし、義務感が強い中で育児をしていたのではないでしょうか。「母親にそこまで甘えた記憶がない」という夫は、おそらく母親のそういった悩みを敏感に感じ取り、「自分は本当に愛されているのか不安」だったのかもしれません。

反応せず、現実的な言動を

過去にどんな原因があったとはいえ、モラハラをして良い理由にはなりません。離婚ができない状態ではモラハラに反応せず、冷静に、現実的な言動を取ることが求められます。

友人からは「露出狂って、見られて『キャー』って言われることに快感を覚えるでしょう? あれと同じ。落ち込んだり、怒ったり、気にするっていう反応を、モラハラする人は望んでるから、無反応が一番」と言われ、わかりやすい説明に筆者も納得しました。

一番いいのはモラハラをする自分に自分で問題意識を感じてもらい、自分と向き合ったり、カウンセリングを受けることですが、そこまでの道は険しいもの。今日もモラハラと向き合いながら、乗り越え方を模索していきたいと思います。

永山京子