物価高により、「年金だけでは生活が苦しい」と感じている方も多いのではないでしょうか。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)の調査では、60歳代と70歳代の3割以上が「年金だけでは日常生活費程度まかなうのが難しい」と回答しています。
厚生労働省の調査によると、国民年金の平均受給額は5万円台、厚生年金+国民年金の平均受給額は14万円台です。
基礎年金を受給していて、年金やその他の所得が一定基準額以下となる場合、「年金生活者支援給付金」の支給対象になります。
この記事では「年金生活者支援給付金」の支給対象者や、2025年度の給付基準額、申請方法についてわかりやすく解説します。
1. 「年金生活者支援給付金」2025年度の給付基準額は?
「年金生活者支援給付金」は、基礎年金を受給している方が、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下となる場合、支給対象になります。
2019年から、生活を支援する目的で開始された制度です。
支給対象となり、申請手続きをされた方には、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されるしくみです。
受給中の基礎年金の種類によって「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3つに分かれています。
1.1 【年金生活者支援給付金】2025年度は前年と比べ2.7%増えた
2025年度の年金生活者支援給付金の給付金額は、前年度と比べ2.7%増えました。
【2025年度】年金生活者支援給付金
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金は、基準額にもとづき保険料納付済期間などに応じて、実際の給付額が計算されるしくみです。
上記はいずれも、年金生活者支援給付金の「月額」となっています。
年金生活者支援給付金の支給日には、2カ月分がまとめて公的年金に上乗せして支給されます。
「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月における平均給付月額(※)は以下のとおりです。
2024年3月における「年金生活者支援給付金」の平均給付月額
- 老齢年金生活者支援給付金:4014円
- 障害年金生活者支援給付金:5555円
- 遺族年金生活者支援給付金:5057円
※2024年3月において認定されている平均給付金額です。