1.2 年金の未来を守る”調整機能”が「マクロ経済スライド」
年金の未来を守る”調整機能”として導入された仕組みが「マクロ経済スライド」です。
賃金や物価が上昇した場合でも、現役世代の減少や平均寿命の伸びを考慮した「スライド調整率」を差し引いて、年金の給付水準を緩やかに抑えます。
これにより、保険料収入と給付のバランスを長期的に保つことが目的です。
また、賃金や物価があまり上昇しない場合は、年金額が減らないよう調整が制限される仕組みも設けられています。
さらに、賃金や物価が下落してしまうような状況でもマクロ経済スライドによる調整はされず、賃金・物価の下落分のみ年金額は引き下げられます。
年金の未来を守るためにマクロ経済スライドは重要な”調整機能”だということがわかりましたね。
ここまで、今年度の年金増額と調整されたマクロ経済スライドについて解説しました。
ただし、年金が増額しても実際にもらえる金額は人によって異なります。
加入していた制度や働き方、保険料の納付期間などによって、受け取る年金額に差があるのが現実です。
次は、厚生労働省が示したケース別の年金額データをもとに、年金受給のリアルを見てみましょう。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)/CFP®/J-FLEC認定アドバイザー
FP資格「CFP®認定者」及び「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)」を保有。
早稲田大学卒業後、日本生命保険相互会社に入社し、生命保険・損害保険の実務および社内教育部署にて教材制作・研修企画に長年従事。独立後はファイナンシャルプランナーとして公正中立な立場から家計相談・ライフプラン設計などの相談実績を持つ。また、マネースクール講師としてNISA、iDeCoを含む資産運用、社会保障など幅広い分野で「お金の先生」として活動。特に公的年金制度の仕組み、老齢年金、障害年金、遺族年金といった厚生労働省管轄の社会保障分野に深い知見を持つ。
現在、株式会社モニクルリサーチのLIMO編集部にて、厚生労働省、金融庁、総務省、デジタル庁、財務省(国税庁)といった官公庁の一次情報をもとに、信頼性の高い記事の企画・執筆・編集・監修を担当。J-FLEC(金融経済教育推進機構)認定アドバイザーとして、企業や学校への金融教育の普及にも尽力している。
大の犬好きで、現在も愛犬と暮らす。JADP認定の「動物介護士®」「動物介護ホーム施設責任者®」「ペットセラピスト®」の資格を取得。確かな金融知識を持ちながらも、生活者としてのリアルなライフスタイルやペットケアへの深い造詣を日々の活動の糧としている。
(2026年6月26日更新)