2. みんなは〈厚生年金〉をいくらもらっているの？
つぎに、厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金の年金月額階級別老齢年金受給権者数（男女別）についてみていきましょう。
厚生年金の年金月額階級別老齢年金受給権者数（男女別）についてポイントを2点解説します。
2.1 平均年金月額は男女で【大きな差】
- 〈全体〉平均年金月額：14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額：16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額：10万7200円
※国民年金の金額を含む
女性よりも男性の方が平均年金月額は高く、その差はおよそ6万円になります。
これは、結婚・出産・育児などの就業中断に影響を受ける「女性の就労期間」や「被扶養者（第3号被保険者）期間」などが背景として考えられます。
2.2 男女で最多層が異なる
厚生年金の受給権者の中で、最も多い層は男女で異なります。
- 〈男性〉最多層17万円以上～18万円未満：96万5766人
- 〈女性〉最多層 9万円以上～10万円未満：81万9604人
年金月額最多層の男女差においては、正社員やパートタイマーなどの就業形態の違い・標準報酬月額の差に加えて、被扶養者（第3号被保険者）期間なども影響していることがうかがえます。
年金額の実態を知ると、「受給したこの年金額にも税金ってかかるの？」と気になる方もいるかもしれません。
実は、公的年金にも原則として所得税がかかるため、年金収入に対して確定申告が必要となる場合があります。
ただし、一定の要件を満たせば申告が不要になる制度も用意されています。
ここからは、年金生活者の負担を軽くしてくれる「確定申告不要制度」について、わかりやすく解説していきます。
