私たちとお金の付き合いは生涯続きます。家計管理は、目の前の暮らしだけでなく、家族の遠い将来にまでも深く関わる大切なテーマと言えるでしょう。
今回は、2025年5月16日に公表された総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 2024年」の結果から、二人以上世帯のうち「勤労世帯」のお金事情にフォーカス。
「年収1000万円世帯」と、「年収600万円世帯」を比較し、貯蓄事情や共働き率にどのような違いがあるのかを見ていきます。
1. 年収1000万円世帯の家計のすがた《貯蓄・共働き率・持ち家率》
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(二人以上の世帯)第8-2表」によると、「年収1000万~1250万円」世帯のお金事情は次のような結果になりました。
1.1 世帯年収1000万~1250万円の勤労世帯《貯蓄と負債》
世帯年収1000万~1250万円の勤労世帯《貯蓄と負債》

出所:総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 第8-2表<貯蓄・負債>年間収入階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)」をもとに筆者作成
平均貯蓄額:2124万円
【貯蓄の内訳】
- 通貨性預貯金:764万円
- 定期性預貯金:425万円
- 生命保険など:440万円
- 有価証券:425万円
- 金融機関外:71万円
平均負債額:1290万円
(うち住宅・土地のための負債:1196万円)
※純貯蓄額(平均貯蓄額-平均負債額):834万円
参考までに「年収1000~1250万」勤労世帯の家族構成も見てみましょう。
1.2 世帯年収1000万~1250万円の勤労世帯《共働き率や持ち家率》
- 世帯主の平均年齢:49.5歳
- 世帯人数の平均:3.47人
- (うち18歳未満の世帯人員:0.96人)
- 世帯主の配偶者のうち女性の有業率:77.1%
- 持ち家率:86.7%
女性の有業率が77.1%になっていることから、約7割が共働き世帯だといえますね。年収1000万円世帯では、女性の収入が世帯収入に貢献していることがわかります。
次では「年収600万円世帯」についても見てみましょう。