レビュー:日本株が現地通貨ベースで年初来最低のパフォーマンスになった1週間

先週(3月28日‐4月1日)は市場ごとに上昇と下落のばらつきが目立つ1週間でした。

注目すべき3つのポイントは、主要産油国が減産に向けて足並みが揃わないとの見方から原油価格が再度大幅下落したこと、米国の雇用統計やイエレン米連邦準備理事会議長の発言から米国の追加利上げが緩慢なペースになると市場が受け止めたこと、そして、日銀短観が弱い内容だったことです。

このため、原油価格が下落し、ドルも対ユーロ・対円ともに下落しました。主要国の長期金利は日本を除いて低下しています。

株式市場では、ナスダック総合指数(前週末比+3%)を筆頭に米国株の上昇が目立ちます。雇用が回復しつつ、インフレが加速するほどでもないという適温相場が続くという見方がさらに強まっている印象です。また、米国の利上げが先送りされる環境に加えて政局が動く期待から、ブラジル株が堅調でした。

一方、週間で最大の下落率だったのは前週末比▲5%下げたTOPIXです(現地通貨ベース)。年初来を見ると、主要市場でTOPIXが上海総合指数を抜いて最大の下落率になりました。欧州株も軟調で、米株はほぼ横ばいでした。上昇の筆頭はブラジル株になります(ボベスパ指数昨年末比+17%)。

先週の主要市場の動き

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

年初来の主要市場の動き 

注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示

アウトルック:日本などの景気対策を催促する相場へ

今週(4月4日‐4月8日)は原油価格と、急落した日本株が注目されそうです。

日銀短観では、2015年度の経常利益の見通しは前年度比+4%増ですが、2016年度には同▲2%減の減益になるとのことです。先週末、米国市場は上昇しましたが、日経平均先物のシカゴ市場での上昇は限定的でした。日本では景気対策を催促する軟調な相場になりそうです。

主要国の景気の体温を測る意味で、4日発表の米国2月耐久財受注、5日の欧州3月PMIも押さえておきたいところです。

【2016年4月3日 投信1編集部】

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LIMO編集部