6. 【年金の基本知識】第3号被保険者の「要件と手続き」
「第3号被保険者」とは、会社員や公務員などの「国民年金第2号被保険者」に扶養されている配偶者のことを指します。
この区分の被保険者は、自身で国民年金の保険料を支払う必要がなく、配偶者が加入している厚生年金保険制度がその費用を負担します。
加入の手続きは、通常、配偶者の勤務先を通じて行われます。
なお、第3号被保険者として加入できる条件は、以下の通りです。
6.1 第3号被保険者となる「要件」を確認!
1:日本国内に住んでいること
※海外に赴任する配偶者に同行する場合等、日本国内に住所を有しないが、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる場合、居住要件に係る特例(海外特例要件)があります。
2:20歳以上60歳未満であること
3:厚生年金保険に加入する配偶者(65歳以上70歳未満で老齢または退職を理由とする年金の受給権を有する人は除く)に扶養されており、原則として年収が130万円未満であること。
※年収が130万円未満であっても、厚生年金保険の加入要件にあてはまる場合は、厚生年金保険と健康保険の加入対象となるため、第3号被保険者には当てはまりません。
7. まとめにかえて
6月支給分から年金額が増額となるのはシニア世代にとっては喜ばしいことです。
一方で物価は上昇が続いており、今回の年金額の増額改定によって、生活が急激に楽になることは考えづらいでしょう。
現役世代の方が老後を迎えるタイミングでさらに物価が上昇していることも考えられます。
また、少子高齢化により予想していた年金受給額より少なくなる可能性もあるでしょう。
このようなリスク・可能性も考慮しつつ、老後に向けて準備を進めていけるのが理想的です。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」
奥野 友貴