2025年5月16日、総務省統計局は「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2024年(令和6年)平均結果―(二人以上の世帯)」を公表しました。
これによると二人以上世帯の貯蓄現在高は、前年比+80万円(+4.2)の1984万円に。6年連続の増加、2002年以降で最多となっています。
この記事では、同調査結果より、70歳以上世帯の貯蓄にフォーカスしていきます。記事末では「いまどきシニア」たちがどの程度の公的年金を受け取れているか、一覧表形式で各年齢の平均年金月額もご紹介します。
1. 70歳以上・二人以上世帯の貯蓄平均は《2000万円以上?以下?》
「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2024年(令和6年)平均結果―(二人以上の世帯)」から、70歳以上の貯蓄事情を見ていきます。
1.1 70歳以上世帯の貯蓄
- 貯蓄現在高:2441万円
- 負債現在高:56万円
- 純貯蓄現在高:2385万円
70歳以上世帯の貯蓄額は、2441万円、負債は56万円。純貯蓄額は2385万円となっています。
次に「貯蓄」の中身についても見ていきます。
2. 70歳以上・二人以上世帯《貯蓄の中身》もっとも多いのは?
ここからは、70歳代以上・二人以上世帯の貯蓄の中身(金融資産の種類)についても見ていきましょう。
【図表】70歳代以上世帯「貯蓄の内訳」金融資産の種類別に確認2/9
出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2024年(令和6年)平均結果―(二人以上の世帯)詳細結果表第8-5表」をもとにLIMO編集部作成
金融機関:2435万円
- 通貨性預貯金:779万円
- 定期性預貯金:822万円
- 生命保険など:372万円
- 有価証券(※1):462万円
- 貸付信託・金銭信託:7万円
- 株式:251万円
- 債券:51万円
- 投資信託:152万円
金融機関外(※2):6万円
もっとも多かったのは「定期性預貯金(822万円)」、次いで「通貨性預貯金(779万円)」となっています。これらの預貯金だけで、金融機関に預けている資産の約66%を占めており、流動性・安全性を重視する傾向にあることがうかがえます。
「有価証券」は462万円とやや少なめで、金融機関に預けている資産の約19%です。そのうち株式が半分以上を占めており、リスクをとりながらリターンを狙う傾向がある様子もうかがえます。
※1 有価証券:株式,債券,株式投資信託,公社債投資信託,貸付信託,金銭信託など(いずれも時価)
※2 金融機関外:金融機関以外への貯蓄のことで、社内預金、勤め先の共済組合への預金など
3. 70歳以上で《3000万円超を持つ世帯》は全体の何パーセント?
貯蓄額の世帯差についても見てみましょう。
3.1 70歳以上の貯蓄現在高階級における世帯数(抽出率調整済実数)
- 100万円未満:15万9831世帯(8.58%)
- 100~200万円未満:5万9920世帯(3.22%)
- 200~300万円未満:6万1401世帯(3.30%)
- 300~400万円未満:7万4597世帯(4.00%)
- 400~500万円未満:6万3124世帯(3.39%)
- 500~600万円未満:6万3329世帯(3.40%)
- 600~700万円未満:5万1045世帯(2.74%)
- 700~800万円未満:5万4332世帯(2.92%)
- 800~900万円未満:6万1851世帯(3.32%)
- 900~1000万円未満:5万2605世帯(2.82%)
- 1000~1200万円未満:9万442世帯(4.85%)
- 1200~1400万円未満:8万1566世帯(4.38%)
- 1400~1600万円未満:9万8132世帯(5.27%)
- 1600~1800万円未満:6万814世帯(3.26%)
- 1800~2000万円未満:5万8849世帯(3.16%)
- 2000~2500万円未満:14万2789世帯(7.66%)
- 2500~3000万円未満:10万6746世帯(5.73%)
- 3000~4000万円未満:16万9035世帯(9.07%)
- 4000万円以上:35万2856世帯(18.94%)
総世帯数:186万3264世帯
70歳以上の世帯では、他の年代と同様に貯蓄額の二極化が顕著に見られます。全世帯の約12%が貯蓄200万円未満である一方で、4000万円以上を保有する世帯も18.94%に上ります。
70歳を過ぎても3000万円以上の貯蓄を維持している世帯が52万1891世帯あり、これは70歳代以上世帯全体の約28%にのぼることも、注目すべき点と言えそうです。
すでにリタイアしている世帯が多く含まれる70歳以上においてこうした貯蓄額の大きな差が生じる背景の一つとして、定年退職金や親族からの相続といった大型収入の影響も考えるでしょう。
次では、老後の確実な収入源である「公的年金」をどの程度受給できているかも見ておきます。
4. 【年金一覧表】70歳以上の《いまどきシニア》厚生年金・国民年金の平均年金月額
ここからは、厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、70歳代以上のシニアたちの平均年金月額を、厚生年金・国民年金に分けて、1歳刻みの一覧表形式で見ていきます。
※なお、厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、記事内では民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。また、厚生年金の年金月額には国民年金の月額部分も含まれています。
4.1 【一覧表】70歳代《いまどきシニア》厚生年金・国民年金の平均年金月額
70歳代の各年齢の平均年金月額は以下の通りです。
【厚生年金一覧表】70歳代の平均年金月額《1歳刻みで見る》70〜79歳
- 70歳:厚生年金14万4773円
- 71歳:厚生年金14万3521円
- 72歳:厚生年金14万2248円
- 73歳:厚生年金14万4251円
- 74歳:厚生年金14万7684円
- 75歳:厚生年金14万7455円
- 76歳:厚生年金14万7152円
- 77歳:厚生年金14万7070円
- 78歳:厚生年金14万9232円
- 79歳:厚生年金14万9883円
【国民年金一覧表】70歳代の平均月額《1歳刻みで見る》70〜79歳
- 70歳:国民年金5万8956円
- 71歳:国民年金5万8569円
- 72歳:国民年金5万8429円
- 73歳:国民年金5万8220円
- 74歳:国民年金5万8070円
- 75歳:国民年金5万7973円
- 76歳:国民年金5万7774円
- 77歳:国民年金5万7561円
- 78歳:国民年金5万7119円
- 79歳:国民年金5万7078円
70歳代の平均年金月額は、厚生年金で14万円台、国民年金で5万7000~8000円台でした。
4.2 【一覧表】80歳代《いまどきシニア》厚生年金・国民年金の平均年金月額
80歳代の各年齢の平均年金月額は以下の通りです。
【厚生年金一覧表】80歳代の平均月額《1歳刻みで見る》80〜89歳
- 80歳:厚生年金15万1580円
- 81歳:厚生年金15万3834円
- 82歳:厚生年金15万6103円
- 83歳:厚生年金15万8631円
- 84歳:厚生年金16万59円
- 85歳:厚生年金16万1684円
- 86歳:厚生年金16万1870円
- 87歳:厚生年金16万2514円
- 88歳:厚生年金16万3198円
- 89歳:厚生年金16万2841円
【国民年金一覧表】80歳代の平均月額《1歳刻みで見る》80〜89歳
4.3 【一覧表】90歳以上《いまどきシニア》厚生年金・国民年金の平均年金月額
90歳以上についてもまとめてみていきます。
【厚生年金一覧表】90歳以上の平均月額《1歳刻みで見る》
- 90歳以上:16万721円
【国民年金一覧表】90歳以上の平均月額《1歳刻みで見る》
- 90歳以上:5万3621円
参考資料
5.1 【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]Ⅱ用語の説明によるとゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計を指します。
なお、貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含まれます。
5.2 【ご参考】年間収入とは
総務省統計局の「家計調査」における「年間収入」とは、世帯全体の過去1年間の収入(税込み収入)です。以下1~6の収入の合計金額となっています。
- 80歳:国民年金5万6736円
- 81歳:国民年金5万6487円
- 82歳:国民年金5万6351円
- 83歳:国民年金5万8112円
- 84歳:国民年金5万7879円
- 85歳:国民年金5万7693円
- 86歳:国民年金5万7685円
- 87歳:国民年金5万7244円
- 88歳:国民年金5万7076円
- 89歳:国民年金5万6796円
- 総務省統計局「家計調査報告 貯蓄・負債編 2024年(令和6年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」
- 国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」
- 総務省「家計調査報告」[貯蓄・負債編]Ⅱ用語の説明
- 総務省統計局「19A-Q04 1世帯当たりの年間収入」
- 勤め先収入(定期収入、賞与等)
- 営業年間利益(原材料費、人件費、営業上の諸経費等を除く。)
- 内職年間収入(材料費等を除く。)
- 公的年金・恩給、農林漁業収入(農機具等の材料費、営業上の諸経費等を除く。)
- その他の年間収入(預貯金利子、仕送り金、家賃収入等)
- 現物消費の見積り額
吉沢 良子