新緑がまぶしい5月。新年度にも慣れてきた今、「この先のお金、大丈夫かな?」とふと思うことはありませんか?
筆者はファイナンシャルプランナーとして、お金の未来を前向きに描くためのお手伝いをしています。
今回は、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の調査で見えた20歳代の貯蓄事情と、金融庁のライフプランシミュレーターを活用しながら、未来に向けたお金の「見える化」と「備え方」のヒントをご紹介します。
1. 20歳代のお金事情は「少なくて当たり前」。今を知って未来につなげよう
まずは、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」20歳代単身世帯の金融資産保有額階層ごと世帯割合(金融資産を保有していない世帯を含む)についてみていきましょう。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
- 金融資産非保有:36.6%
- 100万円未満:26.3%
- 100~200万円未満:9.5%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:4.8%
- 400~500万円未満:2.4%
- 500~700万円未満:4.6%
- 700~1000万円未満:4.0%
- 1000~1500万円未満:2.4%
- 1500~2000万円未満:0.4%
- 2000~3000万円未満:0.4%
- 3000万円以上:0.0%
- 無回答:3.8%
- 平均:161万円
- 中央値:15万円
20歳代単身世帯の金融資産保有額階層ごと世帯割合(金融資産を保有していない世帯を含む)についてポイントにそって解説していきます。
1.1 ポイント①平均は「161万円」、中央値は10分の1の「15万円」
平均値(161万円)よりも中央値が大きく下がっていることから、一部の高資産層が平均を押し上げている構造になっています。
実際の多くの人は「数十万円レベルの資産しか持っていない」状態ということがわかります。
1.2 ポイント②20歳代未婚の4割近くが「貯蓄ゼロ」
金融資産非保有が36.6%で「まったく持っていない」人が4割近くいるという事実。
これは、生活費でいっぱいいっぱいの人や、まだ貯蓄の習慣がない人が多いことを示しています。
1.3 ポイント③「100万円未満」が過半数近く
金融資産を「まったく持っていない」人と金融資産100万未満の人を合わせると62.9%と過半数以上占めています。
働き始めたばかりの20歳代にとって「貯蓄がない」ことは特別なことではありません。
今後のライフイベントに備えて、早めの習慣づけが大切ですね。
こうして見てみると、20歳代のうちは「貯蓄が少ない」「まだ資産がない」というのは、ごく自然なことだとわかります。
大切なのは、今の自分の立ち位置を知ったうえで、「これからどう動くか」を考えること。
次は、人生のなかでどんな支出があるのか、そして何に備えていけばいいのかを、金融庁のライフプランシミュレーターを使って未来のお金をイメージしていきましょう!