2. 女性の年金額が少ない理由

厚生年金は収入が高いほど、加入期間が長いほど受給額が増えていく仕組みです。そのため、男性に比べて、昇進、昇給の機会が少ない傾向にある女性は、賃金が上がらないため、将来受け取れる厚生年金の額も少なくなってしまいます。

また、出産や育児によってキャリアが中断されることも、年金額が少なくなる要因の一つです。正社員として働いていた女性が、出産や育児を機に退職し、その後は非正規で働くという流れは、育児制度が今ほど整っていなかった時代の一般的なパターンでした。

現在は、女性が働き続ける社会へと変化していますが、そのはざまに置かれた今の40代から50歳代の女性(就職氷河期世代にあたる)の低年金は社会問題として扱う必要が出てくるのではないでしょうか。

3. 50歳代からできる老後リスクへの対策

このままでは老後の生活が厳しいとわかっていても、「50歳代からやれることなんて…」と諦めている人もいるかもしれません。

しかし、老後に入る準備期間である50歳代だからこそできることがあります。

3.1 生活サイズを小さくする

50歳代のうちに家計を見直しておくと、老後生活にスムーズに移行できます。現役時代は支出が多くなりがち。そのまま老後生活に突入するとあっという間に家計はマイナスになるでしょう。

年齢にあわせて、生活サイズを小さくすることで、老後の生活を安定させることができます。子育てが終わった人は文字通り小さい住居に住み替えたり、車を手放したり(小型車に乗り換えたり)して、支出を減らす方向に調整していきましょう。