梅雨で雨が続き、おうち時間が増えがちな6月。そんな季節には、ふと将来の暮らしに思いを巡らせる時間が増えるものです。

なかでも、老後の生活を支える「公的年金制度」は多くの人にとって身近で切実な関心ごとではないでしょうか。

「将来年金はいくらほどもらえるのか」という点は、今後の生活設計にも大きく関わってきます。

本記事では、実際のデータをもとに、厚生年金の受給額の実態をわかりやすく解説します。記事中では「厚生年金で月額15万円以上」を受給する男性の割合も紹介しますので、参考にしてみてください。

1. 【はじめに】年金制度のしくみを再確認!

最初に、年金の仕組みについて簡単に確認をしておきます。

日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の2種類からなる「2階建て構造」です。

1.1 国民年金(1階部分)

  • 【加入対象】原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 【保険料】1万7510円(※1):全員一律、年度ごとに見直しあり
  • 【年金額】6万9308円(※2)✕調整率:保険料未納期間に応じて減額調整

※1 2025年度の月額
※2 2025年度の月額:40年間年金保険料を納付した場合に受け取れる「満額」

1.2 厚生年金(2階部分)

  • 【加入対象】主に会社員、公務員など
  • 【保険料】報酬比例制(報酬により決定)
  • 【年金額】加入期間や納付保険料により決定(国民年金に上乗せして支給)

現役時代に「国民年金」と「厚生年金」のどちらに加入しているかで、老後に受け取る年金額に大きな差がでることを押さえておきましょう。

国民年金の保険料は「全員一律」であるのに対し、厚生年金は「報酬比例制(報酬により決定)」です。

厚生年金は、毎月の給与や賞与などの報酬に所定の保険料率を乗じて保険料を決定するため、人によって保険料が異なる仕組みです。