そもそも日経インデックス400とは?
TOPIXのような東証1部上場の全銘柄を時価総額で評価した指数とは異なり、財務データ・バリュエーションなどに基づいて構成銘柄を選んだ指数をスマートベータ指数と言います。JPX日経インデックス400(以下、JPX400)もスマートベータ指数の1つで、採用銘柄決定には主に3段階のプロセスがあります。
JPX400は、過去の財務データによる実績や、売買のしやすさ(流動性)などを基準に選別されています。つまり、投資家はこのインデックスの中からさらに銘柄を厳選していけば、より良い銘柄に出会える確率が高いとも言えます。
日経JPX400からさらに銘柄を厳選してみよう
『JPX日経インデックス400からさらに厳選した有望銘柄(その1)』では、銘柄コード1000から4999までについてJPX400からスクリーニングし銘柄を厳選しました。今回は、銘柄コードが5001から5999までをユニバースとして同様の作業を行い、優良銘柄の抽出を試みます。
銘柄コードで区切る理由としては、業種によりROEの水準が異なるので、できるだけ業種ごとに有望な銘柄を抽出してみたいからです。ユニバースを全業種とした際に、いつも同じ銘柄が出てきてしまうので、今回はそれを避けるという狙いもあります。
今回、JPX400の銘柄をさらに絞り込むスクリーニング条件は以下の通りです。
- 2009年度から2014年度までの決算データがない銘柄は排除(出所はSPEEDAを利用)
- 2009年度から2014年度まで当期純利益で一度でも赤字の銘柄は排除
- 対象となる銘柄(銘柄コード5001から5999まで)の中で2009年度から2014年度の平均ROEを下回ったものを排除
- 2014年度のROEが2009年度のROEを下回っている場合は排除
スクリーニングの結果としての有望8銘柄
1. 住友ゴム工業(5110)
2. 日本発条(5991)
3. 横浜ゴム(5101)
4. リンナイ(5947)
5. DOWAホールディングス(5714)
6. 日本特殊陶業(5334)
7. ブリジストン(5108)
8. 日立金属(5486)
以上、投資の銘柄調査の材料にしていただければと思います。
ただし、1点注意が必要なのは、JPX400のスクリーニングの条件はあくまでも1つの切り口であって、JPX400の切り口が必ずしも常時株式市場で評価されるというわけではないということです。
例えば、ファンダメンタルズが好調な企業は株式市場から長期で評価を受けることは否定しませんが、短期的な時間軸で必ずしも評価されるわけではありません。その時々に相場のテーマがあることを考えれば、お分かりいただけるでしょう。
【参考】JPX400に銘柄の採用が決定される3段階のプロセスとは
日本証券取引所によれば、ある銘柄がJPX400に採用されるためには、以下のように大きく3つのプロセスを経る必要があります。
- 財務及び市場データを基にしたスクリーニングにより、望ましくない銘柄を排除する
- スクリーニング条件をクリアした銘柄群において、過去3年のROEや営業利益、時価総額といった財務及び市場データに基づいて各銘柄にスコア付けをする。
- スコア付けされた銘柄に対して、さらにガバナンスや開示資料などの定性条件を反映させたスコアリングを実施し、最終スコアの高い400銘柄を抽出する。
※本記事は日本の個人投資家の資産形成を応援する経済金融メディアLongine(ロンジン)の記事をダイジェスト版として投信1編集部が編集し直したものです。
参考:「JPX日経400からさらに厳選した有望銘柄(その1)」はこちらから
【2016年4月6日 投信1編集部】
■参考記事■
>>失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント
LIMO編集部