4. 申請しないともらえない年金生活者支援給付金「請求手続き」は簡単!
公的年金と同じく、年金生活者支援給付金を受け取るためには、請求手続きが必要です。
これから65歳を迎える人には、誕生日の3カ月前に、老齢基礎年金の請求書に同封されて給付金請求書が郵送されます。同封の給付金請求書に必要事項を記入し、老齢基礎年金の請求書とともに提出しましょう。
すでに年金を受給中の人で、新たに年金生活者支援給付金の対象となった場合は、毎年9月1日以降、順次年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が郵送されます。必要事項を記入し、郵便ポストに投函しましょう。
手続き方法は次の通り。
4.1 手続き方法
- 請求書の太枠内を記入。
- 請求書を切り取り線に沿って切り離す。
- 請求書面全体が隠れるように、目隠しシールを貼る。
- 差出人欄に住所・氏名を記入し、切手を貼る
- 郵便ポストへ投函。
※請求書は折り曲げたり、目隠しシール以外のシール等を貼ったりしないように注意しましょう。
なお、繰上げ受給中の場合は書類の様式が異なります。
一度請求書を提出すれば、支給要件を満たす限り2年目以降の手続きなしで継続して受給が可能です。継続支給の判定結果は前年の所得に基づき、毎年10月分(12月支給分)から1年間反映されます。
なお、給付額の改定に際しては「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が、支給対象外となった場合は「年金生活者支援給付金不該当通知書」が郵送されます。
5. 「年金生活者支援給付金」は意外と新しい制度
年金生活者支援給付金が創設されたのは、実は比較的最近のことです。
初めて支給されたのは2019年10月からで、消費税率が10%に引き上げられたタイミングに合わせて、低所得の年金受給者の生活を支援するために導入されました。
制度創設時の試算では、
- 老齢年金生活者支援給付金の対象者は約610万人
- 補足的老齢年金生活者支援給付金の対象者は約160万人
- 障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金の対象者は合わせて約200万人
と見込まれていました。
毎月の年金に上乗せされることで、日々の生活費や医療費などの足しになる「年金生活者支援給付金」。多くの低所得の年金受給者にとって、生活を支える上で重要な役割を果たしています。
消費税率引き上げという社会的な変化に対応し、特に経済的に厳しい状況にある年金受給者の生活を支援するために創設された、比較的新しい制度なのです。
6. 9月に届いたら申請を
今回は、年金生活者支援給付金について詳しく解説しました。
申請しなければもらえませんが、その手続きは難しくありませんので、しっかりと申請をおこないましょう。
老後は、年金収入を頼りに生活する人も少なくありません。物価高が続く中、苦しい生活を送っている人もいるでしょう。
今回の制度のみでなく、自分が利用できる公的制度が無いか、いま一度確認しておくようにしましょう。
また、支援制度や給付金の中には、自分から申請しなくては受け取れないものが多いです。
知らずに損をしないよう、気になることがある場合は最寄りの相談窓口等に問い合わせしてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金制度について」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
- 日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金 よくあるご質問(Q&A)」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
橋本 優理