老後の生活を支える公的年金、とくに老齢給付はセカンドライフの柱となります。とはいえ、そのしくみ複雑で分かりにくいと感じる人も多いでしょう。
この記事では、いまの年金制度の基本を整理したあと、令和のシニア世代がどの程度公的年金を受け取っているかを具体的に見ていきます。
少子高齢化が進むいま、遠い将来の年金水準への不安を持たれる人もいるでしょう。
いまのシニアたちがどの程度年金を受給できているかを知ることで、働き盛りの現役世代たちが「自分の老後」をイメージするきっかけになればと思います。
1. 【6月13日支給分から+1.9%】年金額は2025年度も引き上げ(4月分より)
2025年度の公的年金額は、3年連続の引き上げとなっており、2025年度は、前年度より1.9%の増額となりました。
公的年金の支給は、2カ月に一度「偶数月の15日」。15日が土日祝日に当たる場合は直近の平日に前倒しとなります。
この増額率が適用されるのは「6月13日(金曜日)」に支給される、2025年4月・5月分の年金からです。
1.1 2025年度の年金額の例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)
※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
厚生年金は40年間「会社員として月額45万5000円(平均)を稼いだ夫」と「ずっと専業主婦もしくは自営業だった妻」の組み合わせをモデル世帯と想定。上記の年金額は、「夫の老齢厚生年金+夫婦2人分の老齢基礎年金」となります。
3年連続のプラス改定となった一方で、実は年金そのものは、実質目減りとなっているのです。