65歳以上のリタイア夫婦「毎月の生活費は平均25.6万円」基礎年金・厚生年金はみんないくらもらえている？貯蓄平均は2000万円超も、みんなが気になる「イマドキ定年退職金事情」も解説

6. 基礎年金・厚生年金「みんな実際いくらもらえている？」

基礎年金・厚生年金「平均月額や個人差を見る」

厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2023年度末の国民年金・厚生年金（※）の平均年金月額は以下の通りです。

※厚生年金の被保険者は第1号～第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険（第1号）」（以下記事内では「厚生年金」と表記）の年金月額を紹介します。また、厚生年金の月額には国民年金（老齢基礎年金）部分が含まれています。

〈全体〉平均年金月額：5万7584円

〈全体〉平均年金月額：14万6429円

平均年金月額は、国民年金のみを受け取る場合で5万円台。厚生年金（国民年金部分を含む）を受け取る場合で、男性16万円台、女性10万円台です。

とはいえ、国民年金、厚生年金それぞれの受給権者の中でも個人差が出ます。1万円未満の低年金となる人から、30万円超の高額受給者まで、年金事情は人それぞれなのです。

現役時代の働き方や収入は、遠い将来の年金額に反映されます。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用して、年金見込み額や年金加入状況を確認してみましょう。

今回は65歳以上世帯の家計収支や貯蓄事情などについて詳しく見てきました。

総務省統計局のデータによると、65歳以上無職夫婦世帯のひと月の家計収支は約3万円の赤字。

ひと月3万円といっても、それが老後30年も続けばトータルの赤字額は1000万円を超えます。

厚生労働省のデータによると、65歳以上の無職夫婦のみ世帯の平均貯蓄額は2504万円。ならば、年金で不足する生活費は貯蓄でカバーすれば良いと考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、この金額はあくまで平均です。とくに準備もせず貯蓄2000万円超の状態で老後を過ごせる世帯ばかりではありません。現役時代のうちからコツコツと資産づくりを進めていくことが大切です。

また、ひと月にかかる生活費は世帯によって異なりますし、介護や住宅の修繕費などにかかる費用も人それぞれ異なります。「いくらあれば安心」とひとくちで言い切ることはできません。

まずは、自分が理想とする老後のライフプランをもとにいくら老後資金を準備する必要があるか？を考えることから始めましょう。

鶴田綾