6月13日金曜日は、公的年金の支給日でした。
年金を受給している世帯の方は、支給された年金額をご覧になり、どう感じたでしょうか。
2025年度は、2024年度と比べ国民年金や厚生年金が1.9%引き上げられました。
しかし、物価の上昇には追い付いていないため、支給された年金が少し増えていたとしても老後生活を大きく改善するほどではないかもしれません。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2024」によると、60歳代・70歳代の二人以上世帯の、60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答しています。
では、実際に支給されている「老齢年金」平均月額はいくらなのでしょうか。
今回は、60歳代・70歳代・80歳代「老齢年金」平均月額について詳しくお伝えしていきます。
1. 日本の公的年金制度「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の特徴とは?
日本の公的年金制度は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」から成り立つ2階建て構造となっています。
加入対象となる方や老後の受給額など、それぞれの特徴について確認しましょう。
この2つの年金制度の基本を押さえておきましょう。
1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)の特徴
「加入対象」
- 原則として日本に住む20歳から60歳未満のすべての人
「年金保険料」
- 全員定額、ただし年度ごとに改定される(※1)
「老後の受給額」
- 保険料を全期間(480カ月)納付した場合、65歳以降で満額の老齢基礎年金(※2)を受給できる。未納期間分に応じて満額から差し引かれるしくみ。
※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円
1.2 2階部分:厚生年金の特徴
「加入対象者」
- 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たす人が、国民年金に上乗せで加入
「年金保険料」
- 収入に応じて(上限あり)決定される(※4)
「老後の受給額」
- 加入期間や納付済保険料により、個人差が出る
国民年金(基礎年金)と厚生年金では、加入対象や年金保険料の決定方法、受給額の計算方法などがそれぞれ異なります。
現役時代の働き方や収入などによって、老後に受け取る年金の種類や金額が異なるのです。
なお、公的年金額は物価や現役世代の賃金などを踏まえたうえで、年度ごとに見直されています。
次は、2025年に増額改定された国民年金と厚生年金について、わかりやすくお伝えします。
※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。