新緑がまぶしい5月。新年度が落ち着いて、ライフプランを見直すにはぴったりの季節ですね。

年代によって変化する保険ニーズ。

その傾向を知ることで、今の自分に必要な保障が見えてきます。

「なんとなく入っている保険」から「自分にフィットした保険」へ。

保険の加入や見直しを検討する際には、こうしたデータも参考にしてみてくださいね。

1. 50歳代・60歳以上で新契約比率が増加

一般社団法人生命保険協会が公表した「生命保険の動向(2024年版)」で、個人保険新契約の年代別構成比の推移をみていきましょう。

個人保険新契約の年代別構成比の推移(件数ベース)

個人保険新契約の年代別構成比の推移(件数ベース)

出所:一般社団法人生命保険協会「生命保険の動向(2024年版)」全頁

2023年度の件数ベースでみる個人保険新契約の年代別構成比はこちらです。

  • 20歳未満:9.8%
  • 20歳代 :15.6%
  • 30歳代 :16.4%
  • 40歳代 :16.8%
  • 50歳代 :16.5%
  • 60歳以上:24.8%

新契約には新しく保険に加入した契約のみがカウントされるので、いわば「純粋な新規顧客の契約」ということになります。

50歳代は2020年度以降、60歳以上では2019年度から連続して新契約件数の契約比率が増加していることがわかります。

一方で、30歳代以下の若年層では契約比率が全体的に下がっています。

2. 世代によって異なる「選ばれる保険の種類」

では、各年代でどのような種類の保険が選ばれているのでしょうか。

一般社団法人生命保険協会が公表した「生命保険の動向(2024年版)」で、個人保険新契約の保険種類別構成比をみていきましょう。

純粋な新規顧客の契約である新契約では、どの世代で何が選ばれているのでしょうか?

個人保険新契約の年代別構成比の推移(件数ベース)

個人保険新契約の年代別構成比の推移(件数ベース)

出所:一般社団法人生命保険協会「生命保険の動向(2024年版)」全頁

構成比にある保険種類の「その他」には医療保険やこども保険などが含まれています。

こども保険(学資保険)とは、子どもの高校や大学入学といった教育費に備える保険です。

そのため、20歳未満をのぞいた20歳代から60歳以上の「その他」の保険種類は医療保険など、こども保険以外の要素が強いことがわかります。

個人保険新契約の保険種類別構成比の図表を要約すると、以下のポイントがあげられます。

  • 全世代で「その他」(医療保険やこども保険等)の割合が半分以上を占めている。
  • 20歳未満〜40歳代では、「その他」の次に「定期保険」が選ばれている。
    →とりわけ20歳代以上は結婚・出産・住宅購入などのライフイベントが多い世代のため、一定期間の保障を重視している表れとも言えるでしょう。
  • 50歳代・60歳以上では、「終身保険(定期付き含む)」の割合が多い
    →とりわけ60歳以上では41.2%と過半数近くを占めるほどの存在感を示しています。老後への備えとして「一生涯の保障」を求める声が反映されているとみられます。

3. 【自分にフィットした保険】選びを考えてみよう

今回は、2023年度のデータから「どの世代が、どのような保険を選んでいるのか」図表をもとに解説しました。

まとめると、

  • 新契約は50歳代・60歳以上で契約比率が増加
  •  全世代で「その他」(医療保険やこども保険等)の割合が半分以上
  •  20歳未満〜40歳代は「定期保険」、50歳代・60歳以上は「終身保険(定期付き含む)」の割合が多い

今回のデータから、世代による保険ニーズの違いがわかりました。

保険は年齢やライフスタイル、家族構成によって必要な内容が変わるため、「みんなが入っているから」ではなく、自分に合った保障を考えることが大切です。

特にシニア層の契約が増加している現在、保険を「見直す」だけでなく「新たに加入する」という選択も珍しくありません。

自分の生活設計に合った保障内容かどうか、今一度確認してみるのはいかがでしょうか。

参考資料

村岸 理美