3. 自治体(市区町村)からの給付金・補助金・手当
国からの給付金とは別に、居住する自治体から給付金や補助金、手当を受けられる場合があります。これらの支援制度は地域ごとに内容が異なり、実施していない自治体もあります。今回ご紹介するのは一例のため、支援の有無や詳細は、お住まいの市区町村窓口にてご確認ください。
3.1 高齢者のための補聴器購入費助成
自治体により、高齢者が補聴器を購入する際の費用の助成が行われています。
世田谷区では、65歳以上の高齢者を対象に、補聴器購入費の助成制度を実施しています。対象は区内在住で、住民税非課税の方のうち、耳鼻咽喉科医師により補聴器が必要と認められた人です。
助成額は最大5万円で、5年に1回申請可能です。購入前の申請が必要で、認定補聴器技能者がいる販売店での購入が条件となっています。
3.2 高齢者向け住宅リフォーム助成制度
条件を満たした高齢者が、自宅のリフォームなどをした際の費用を支援する制度が用意されている自治体もあります。
これは、高齢者世代が住み慣れた住宅で自立した生活を送ることができるようにするとともに、介護者の負担を軽減するための制度として設けられています。
新潟県上越市では、以下の条件を満たした場合に助成金を支給しています。
- おおむね65歳以上の要支援認定・要介護認定を受けている人
- 世帯全員の前年の収入額合計が600万円未満
- 過去に高齢者向け、または障害者向け住宅リフォーム助成制度を利用していない
- 助成制度により決められた一定の改修工事を行う
給付される金額は、30万円に世帯の課税状況に応じた補助率を乗じた額となっています。給付を受けるためには、工事着工前に申請を行う必要があるため、リフォームを行う前にまずは自治体に相談しましょう。
4. おわりに
今回は、シニア世代が申請することにより受け取ることができる給付金や手当、補助金についてご紹介しました。
シニア世代は、主に年金収入で生活をしているため、所得が低くなりがちです。物価高の影響も大きく受けるため、政府や自治体によって経済的な支援策が用意されています。
ただし、多くの制度が申請により給付されるものであるため、自ら情報収集をして適切な給付に関する申請をすることが不可欠です。
自分自身で対象となる制度を把握し、正しく申請を行うことで、家計の負担を軽減し、より豊かな生活を目指しましょう。不明な点がある場合は、お住まいの自治体の窓口や専門家に相談することをおすすめします。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
参考資料
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 厚生労働省「第10章 高年齢雇用継続給付について」
- 世田谷区「高齢者(65歳以上)のための補聴器購入費助成(令和7年4月1日対象拡大)」
- 上越市「高齢者向け住宅リフォーム助成制度」
斎藤 彩菜