野山が錦に色づき、朝晩の冷え込みが一段と厳しくなってきました。
冬支度に伴い、光熱費を含む物価の上昇が家計に重くのしかかる時期です。
とくに、年金が主な収入源となる世帯にとって、毎日の生活費をどのように工面していくかは、避けてはとおれない課題となっています。
こうした状況で注目されているのが「年金生活者支援給付金」です。
基礎年金を受給していて、年金やその他の所得が一定基準額以下となる方が対象となります。
一時的な支援制度ではなく、2カ月に1度の年金支給日に「年金に上乗せして継続的に支給される」のが特徴です。
2019年からスタートした年金生活者支援給付金は、年金生活をされている方の「家計負担を軽減する」ための公的な支援制度となっています。
2025年度の給付基準額は前年度よりも増額改定されており、《誰が・いくらもらえるのか》知っておきたいところでしょう。
この記事では、年金生活者支援給付金の支給要件や2025年度の給付基準額、そして請求方法について、わかりやすく解説します。
1. 【シニア世帯】「所得額」は平均いくら?内訳もチェック!
厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の「1世帯あたりの平均所得金額」を見ていきましょう。
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯
1.1 高齢者世帯の平均所得金額
(カッコ内は総所得に占める割合)
総所得:314万8000円 (100.0%)
【内訳】
- 稼働所得:79万7000円(25.3%)
- うち雇用者所得(※):66万5000円(21.1%)
- 公的年金・恩給:200万円(63.5%)
- 財産所得:14万4000円 (4.6%)
- 公的年金・恩給以外の社会保障給付金:1万8000円 (0.6%)
- 仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得18万9000円(6.0%)
高齢者世帯の平均総所得は年314万8000円、月額に換算すると約26万円です。
主な内訳は、所得の3分の2を占める月額約16万6000円の「公的年金」と、約2割を占める月額約5万5000円の「雇用者所得」です。
この所得構成からは、高齢者世帯の生計が公的年金をベースとしながら、主に仕事による収入で補われている様子がうかがえます。
※雇用者所得:世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で、税金や社会保険料を含む
次は、基礎年金の種類別で「年金生活者支援給付金」の支給要件を見ていきます。
