10. 老後の生活費は「赤字」があたりまえ??
2025年3月11日に総務省が公表した「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上無職夫婦世帯のひと月の生活費は、平均で25万6521円です。
前述のとおり、老齢年金の平均月額は国民年金が5万7584円、厚生年金(国民年金を含む)が14万6429円。
夫婦ともに平均年金月額程度の年金を受給できたと仮定してみましょう。夫婦2人の年金額合計は以下のとおりです。
- 夫婦ともに国民年金のみ:月額11万5168円
- 夫婦のいずれかが厚生年金:月額20万4013円
- 夫婦ともに厚生年金:月額29万2858円
先ほどの生活費と照らし合わせると、夫婦ともに厚生年金を受給する世帯以外は、収入が年金のみとなると大幅な赤字になることがわかります。夫婦ともに国民年金のみの場合は、約14万円もの赤字となります。
リタイア後、年金以外の収入がない場合は、収入が現役時代の半分以下になるケースがほとんどでしょう。しかし、最低限の生活費はそれほど大きく減らないものです。
老後対策の第一歩として、一度、老後の家計収支を想定してみてください。
「赤字」になる場合は、その金額をもとに準備すべき老後資金を計算してみましょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構 年金用語集「た行 特定適用事業所」
- 日本年金機構「厚生年金の保険料」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「付加保険料の納付」
- 日本年金機構「国民年金付加年金制度のお知らせ」
- 日本年金機構「年金の繰上げ・繰下げ」
和田 直子