物価高や関税措置の影響で、生活に不安を抱える方も多いでしょう。

こうした中で消費税減税を求める声も上がってきましたが、5月9日の記者会見において林官房長官は「政府として、その税率を引き下げることは適当ではないと考えている」と述べました。

一方で、低所得者世帯を対象とした「3万円給付」なども行われていることから、あらゆる助成・給付金の「要件」が気になるという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、年金世帯に支給される「年金生活者支援給付金」について、対象者や要件、金額等を解説します。

2025年6月13日支給分からは2.7%の増額が控えているため、その対象者が気になります。多くの給付金と同様に「所得制限」はあるのでしょうか。

1. 年金収入が少ない人たち

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

国民年金・厚生年金《平均月額と個人差》

国民年金・厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。

特に女性の場合は厚生年金の受給額が低い傾向にあり、ボリュームゾーンは「9万円~11万円未満」となっています。

次では、年金生活者を支える「年金生活者支援給付金」制度について見ていきましょう。