2. 早く積立を始めるメリット(1)複利効果を活かせる
複利効果とは、運用によって得た利益を再度投資に回すことで、効率よく利益を得られることです。
先ほどのシミュレーション結果を見てみると、30歳から積立を始めた場合、投資元本1133万円で老後資金2000万円を準備できたのに対し、50歳から始めた場合は1586万円の投資元本が必要となっています。
つまり、運用期間が長いほど複利効果を得やすく、より効率的に老後資金を準備できることが分かります。
3. 早く積立を始めるメリット(2)リスクを分散できる
NISAを活用した資産形成では、上場株式や投資信託などの金融商品への投資を行います。投資と聞くと、「損失を負うリスクが怖い」と感じる人も少なくありません。
たしかに金融商品への投資では元本割れを起こすリスクがあり、「必ず利益が出る」と確約されたものではありません。
しかし、長い期間をかけて積立を行うことで、投資のタイミングを分散できるメリットがあります。
これにより、「高いときに投資してしまった」という高値掴みをするリスクが減り、投資経験が浅い人でも相場の変動による影響を和らげながら、長期的な資産形成を目指すことができます。
4. 早く積立を始めるメリット(3)複数回の相場の波を経験できる
金融市場は常に上下を繰り返しており、時に大きな変動を経験することも珍しくありません。
例えば、リーマンショックやコロナショックなどがその一例です。
65歳までの運用期間が短い場合、こうした大きな変動要因が起きると心理的にも大きな負担となります。
もし市場が回復しない状況が続くと、元本割れを起こしたまま65歳を迎えることもあるかもしれません。
一方、長い運用期間があると精神的にもゆとりを持ちやすいため、変動要因が起きた際にも短期的な価格変動に一喜一憂せずに、冷静に市場を捉えられるメリットがあります。
資産形成に取り組むにあたって、感情に左右されずに運用を行えるのは大きなポイントだといえます。
5. 老後資金の準備は計画的に取り組もう
2000万円と聞くと途方もない目標のように感じられますが、早いうちから取り組むことで複利効果の恩恵を受けながら効率よく老後資金を準備することができます。
積立は少額からでも始められますので、まずは負担のない金額から検討してみるのもよいでしょう。
参考資料
椿 慧理