2025年度は、年金生活者支援給付金の給付基準額が物価上昇を反映して2.7%引き上げられ、6月支給分から反映されます。
この給付金は、一定の条件を満たした年金受給者に対して支給される制度であり、申請しなければ受け取れない点が大きなポイントです。
老齢・障害・遺族それぞれの年金受給者に対応した給付金が用意されており、条件を満たす方にとっては家計の下支えとなる大切な制度です。
支給要件や給付基準額、申請方法をチェックしておきましょう。
1. 「年金生活者支援給付金制度」とは?対象者と給付基準額をチェック!
「年金生活者支援給付金制度」は、公的年金等の収入が一定基準を下回る方を対象に、年金に加えて支給される給付金制度です。
給付額は、「保険料を納めた期間」や「加入していた月数」などにより異なり、受給者ごとに個人差があります。
2025年度は物価上昇などの影響を受け、給付の基準額が前年より2.7%引き上げられました。
1.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件と給付基準額
【支給要件】
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
【2025年度の給付基準額】
- 5450円(前年度比+140円)
1.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件と給付基準額
【支給要件】
- 障害基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 障害年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
【2025年度の給付基準額】
- 障害等級2級:月額5450円(前年度比+140円)
- 障害等級1級:月額6813円(前年度比+175円)
1.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件と給付基準額
【支給要件】
- 遺族基礎年金の受給者
- 前年の所得(※1)が472万1000円(※2)以下
※1 遺族年金等の非課税収入は、給付金の判定に用いる所得には含まれません。
※2 扶養親族等の数に応じて増額。
【2025年度の給付基準額】
- 5450円(前年度比+140円)
このように、年金生活者支援給付金を受け取るには、所得に関する条件が設けられています。
たとえば、老齢年金生活者支援給付金の所得上限(88万9300円または88万7700円)を月額に換算すると、おおむね月7万4000円以下の収入が目安となります。
なお、支給要件をすべて満たしていたとしても、申請しなければ給付を受けることはできません。
次章では、年金生活者支援給付金の申請方法について詳しく確認していきましょう。