2. 人的資本とは

人的資本とは、個人が持つ知識・スキル・経験・健康状態など、労働を通じて収入を生み出す能力を指します。

働いている方は、自身が有している人的資本を労働市場に投入し、給与や報酬を得ています。

専門的な知識・技術・経験・ノウハウなどを有している人ほど、人的資本は大きいといえます。

能力が高く、大きな付加価値を生める人ほど社会的に貴重な存在であるため、収入も増えやすいのです。

多くの方は、人的資本を通じて得られた収入を金融資本へ転換しています。金融資産を徐々に増やすことにより、金融資産から得られる収入も比例的に増えるため、人的資本が大きい人ほど豊かになりやすいことがわかります。

3. 若い方ほど自己投資を行うべき

一般的に、若いうちは金融資本が小さい一方で、大きな人的資本を持っています。

若い方は将来にわたって働ける期間が長いため、人的資本を大きくするほど、将来的に得られる収入や報酬を最大化できます。

若い方でも、コツコツと投資をすることは重要です。しかし、若い方は金融資本を大きくするよりも、人的資本を伸ばすことをおすすめします。

若いうちに身につけたスキルや知識は、長い期間にわたって収入を生み出す「資産」になるためです。

つまり、株式や債券へ投資するよりも、自分自身へ投資したほうが、長い目で見たときに得をする可能性が高いのです。

20代で専門的なスキルを習得したり、優れた事業仲間との人脈を築けたりすれば、その後も充実したキャリアを築けるでしょう。

4. 自己投資の対象は「知識」「スキル」「経験」「人脈」

人的資本を伸ばすための、具体的な自己投資の対象として挙げられるのは、「知識」「スキル」「経験」「人脈」です。

AIの台頭に代表されるように、昨今は働き方や人間に求められる役割が大きく変化しています。

AIを使いこなすための知識やスキル、AIでは対応できない専門性を習得する重要性が高まっています。

さまざまな経験を積むことも効果的です。副業を始めて自分自身が事業主となる経験を積んだり、複業を始めて多様な業種・職種を経験することにより、知識・スキルの幅は広がります。

人脈の形成も価値のある自己投資です。本業だけでは人脈の形成が限定的になってしまうため、副業を始めたり気になるコミュニティに参加したりして、人脈の拡大を図りましょう。

人脈の形成は、新たな価値観に触れられるだけでなく、新たな知識・スキルを習得できたりビジネスチャンスを得られたりするきっかけにもなります。

「自分よりも優れた人」と多く知り合い、刺激を受けながら、自分の人的資本を伸ばす努力と工夫を重ねてみてください。