物価上昇により、日々の買い物が家計に与えるダメージがはかり知れません。

年金生活を送るシニアにとって、この物価高は痛手となるでしょう。農林水産省の調査でも、コメの価格は上がる一方です。

また、株式会社帝国データバンクによる「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年5月によると、飲食料品の値上げは前年超えの見込みです。

同社は、「今夏以降も価格改定による採算改善を目指す動きが各社で続くとみられる」と分析しています。

少ない年金でどう過ごせばいいのかと不安になる人も少なくないでしょう。

低所得者世帯は、公的な給付金や助成が受けられる可能性があります。その多くは要申請となっているため、情報を見逃さないようにしましょう。

本記事ではそのひとつである、「年金生活者支援給付金」について紹介します。

一度きりの給付ではなく、繰り返しもらえるものになっているため、対象となる方はしっかり押さえておきましょう。

1. 厚生年金の平均額は14万円台。基礎年金だけだといくら?

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均月額は国民年金(老齢基礎年金)で5万円台、厚生年金(国民年金部分も含む)で14万円台です。

国民年金・厚生年金《平均月額と個人差》

国民年金・厚生年金の平均月額(男女全体・男女計)

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

ただしグラフのように、厚生年金を月額25万円以上受け取っている人もいれば、国民年金・厚生年金ともに月額2万円未満の低年金となる人まで、幅広い受給額帯に分布しています。

そもそも厚生年金という上乗せがない場合、基礎年金の満額は約6万8000円です。

年金とその他の所得を含めても、一定基準以下の低所得となる場合には「年金生活者支援給付金」が受け取れる可能性があることをご存じでしょうか。

次では、この「年金生活者支援給付金」の支給要件や金額について整理していきましょう。