3. 【年金生活者支援給付金】申請しないともらえない

この給付金は、2019年10月に消費税率が10%に引き上げられた際に、低所得の年金受給者を支援するために創設された比較的新しい制度です。当初の試算では以下の対象者が見込まれていました。

  • 老齢年金生活者支援給付金の対象者は約610万人
  • 補足的老齢年金生活者支援給付金の対象者は約160万人
  • 障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金の対象者は合わせて約200万人

また、この給付金は自分で手続きをしないともらえません。

はがき(年金生活者支援給付金請求書)の記入例

はがき(年金生活者支援給付金請求書)の記入例

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和6年度)」

これから65歳を迎える人には、誕生日の3カ月前に年金の請求書とともに給付金請求書が郵送されるので、必要事項を記入して提出することをお忘れなく。また、すでに年金を受給中で新たに給付金の対象になった人には、毎年9月1日以降に請求書(はがき型)が順次送られてくるので、必要事項を記入して返送します。

一度手続きをすれば、支給要件を満たす限り、翌年以降の手続きは不要で継続して受け取れます。ただし、繰り上げ受給中の場合は手続き方法が異なるため注意が必要です。給付額の変更や対象外になった場合は、通知書が届きます。

4. 【年金生活者支援給付金】もらい忘れに注意!

今回は、受け取れる年金額が少ない人に向けた支援策である「年金生活者支援給付金」について詳しく見てきました。利用できる制度を知らずに損をしてしまうことがないよう、自分が対象になるかどうかを確認しておくようにしましょう。定年退職を迎えると、主な収入は老齢年金のみになるという人も多いでしょう。

物価上昇が叫ばれる現在、少ない年金でやりくりするのは難しいと感じるかもしれません。近年では、65歳以降も再雇用などで働きながら、給与所得を確保する人も増えています。老後のライフプランについて、いま一度考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

橋本 優理