2025年4月14日に総務省が公表したデータによると、日本の65歳以上人口は前年比1万7000人増加の3624万3000人です。また、日本人口における65歳以上の人口割合は29.3%となり過去最高を更新しました。
では、このような増え続けるシニア世帯は、現在どのような生活を送っているのでしょうか。本記事では、リアルなシニア世帯の生活を紹介します。
年金受給額と生活費について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. シニア世帯は年金をいくら受け取っているのか
仕事を辞めたシニア世帯は、年金を主な収入源として生活する人が多いです。
では、年金はいくらもらうことができるのでしょうか。現役時代に会社員や公務員としての勤務経験がある厚生年金受給者の年金受給額を確認しましょう。
厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金受給者の年金受給額の分布は以下のとおりです。
1.1 厚生年金受給者の年金受給額(額面)
年金受給額 割合
- 月額1万円未満 0.28%
- 月額1万円以上2万円未満 0.09%
- 月額2万円以上3万円未満 0.31%
- 月額3万円以上4万円未満 0.58%
- 月額4万円以上5万円未満 0.61%
- 月額5万円以上6万円未満 0.85%
- 月額6万円以上7万円未満 2.34%
- 月額7万円以上8万円未満 3.97%
- 月額8万円以上9万円未満 5.44%
- 月額9万円以上10万円未満 6.73%
- 月額10万円以上11万円未満 7.01%
- 月額11万円以上12万円未満 6.57%
- 月額12万円以上13万円未満 5.97%
- 月額13万円以上14万円未満 5.75%
- 月額14万円以上15万円未満 5.89%
- 月額15万円以上16万円未満 6.14%
- 月額16万円以上17万円未満 6.39%
- 月額17万円以上18万円未満 6.56%
- 月額18万円以上19万円未満 6.37%
- 月額19万円以上20万円未満 5.84%
- 月額20万円以上21万円未満 4.99%
- 月額21万円以上22万円未満 3.90%
- 月額22万円以上23万円未満 2.72%
- 月額23万円以上24万円未満 1.78%
- 月額24万円以上25万円未満 1.18%
- 月額25万円以上26万円未満 0.75%
- 月額26万円以上27万円未満 0.45%
- 月額27万円以上28万円未満 0.25%
- 月額28万円以上29万円未満 0.13%
- 月額29万円以上30万円未満 0.06%
- 月額30万円以上 0.09%
平均年金月額 14万3973円
*厚生年金保険受給権者には、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢の引上げにより、定額部分のない報酬比例部分のみの 65 歳未満の受給権者が含まれている
平均年金受給額は月14万3973円となっています。共働き夫婦で、夫婦ともに平均年金額をもらえる場合、世帯年金受給額は月28万7946円です。
ただし、厚生年金は現役時代の平均年収と勤務期間によって受け取れる金額が異なります。平均年収が低い場合や勤務期間が短い場合、もらえる年金額も少なくなるため注意しましょう。
また、会社員や公務員経験のない専業主婦や自営業者が受け取れる国民年金の満額受給額は月6万9308円です。
2. シニア世帯の生活費はいくらか
次に、シニア世帯の生活費を確認しましょう。
総務省統計局「家計調査報告書(家計収支編)」によると、2024年における65歳以上の夫婦のみ無職世帯の1か月の平均支出とその内訳は以下のとおりです。
2.1 65歳以上の夫婦のみ無職世帯の支出(月額)
- 食料 7万6352円
- 住居 1万6432円
- 光熱・水道 2万1919円
- 家具・家事用品 1万2265円
- 被服及び履物 5590円
- 保険医療 1万8383円
- 交通・通信 2万7768円
- 教育 0円
- 教養娯楽 2万5377円
- その他の消費支出 5万2533円
- 諸雑費 2万2125円
- 交際費 2万3888円
- 仕送り金 1040円
- 直接税 1万1162円
- 社会保険料 1万9171円
合計 28万6877円
社会保険料と税金を含めた平均支出は、月28万6877円となります。内訳としては食費が月7万6352円と最も高く、次に交通・通信費、教養娯楽費と続きます。
共働き夫婦で夫婦ともに平均年金額をもらえる場合、世帯年金受給額は月28万7946円のため、年金だけで平均的な生活を送ることが可能です。
一方で、平均年収が低い人や勤務期間が短い人、また片働き夫婦や自営業者夫婦が年金だけで生活するのは難しいでしょう。
3. 年金を増やす方法もある
年金だけで老後生活を送れない人が多いことを知り、老後生活に希望を見いだせない人もいるかもしれません。
ただし、実は年金の受給額を増やす方法もあります。それは、年金の繰下げ受給を利用する方法です。年金の繰下げ受給を利用すれば、年金受給開始年齢を遅らせることで年間の年金受給額を増やせます。
たとえば、年金の受取りを70歳に遅らせた場合、65歳から年金の受取りを開始するのに比べて、年間受給金額を42.0%も増やせるのです。
今は65歳以降も働く人が増えているため、年金受給額を少しでも増やしたい人は、65歳以降も働くことで年金受給開始時期を遅らせることを検討してみてはいかがでしょうか。
4. 年金支給水準は今後も減っていく
少子高齢化が進む日本では、今後も年金の支給水準が減っていきます。そのため、年金だけで老後生活を送るのはますます難しくなるでしょう。
ぜひ、今のうちから年金の繰下げ受給の検討や節約や貯金、資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
苛原 寛