「年金生活者支援給付金」とは、老齢・障害・遺族それぞれの基礎年金を受給している人が、年金等の収入や所得の合計額が一定以下である場合に支給されるものです。

年金収入が少ない高齢者世帯にとって頼りになる存在といえます。

昨今の物価上昇を受けて、2025年度の年金生活者支援給付金は2.7%の増額となることが決まっています。実際の支給額に反映されるのは2025年6月13日から。この日を心待ちにする人も多いでしょう。

年金生活者支援給付金の対象になるかどうかが気になるものです。

そこで本記事では、年金生活者支援給付金の概要や対象者、金額について解説します。

記事の後半では手続き方法のひとつとして「電子申請」について見ていきましょう。

1. 「年金生活者支援給付金」とは?制度概要

「年金生活者支援給付金」は、老齢・障害・遺族それぞれの基礎年金を受給している人が、年金等の収入や所得の合計額が一定以下である場合に支給されるものです。

消費税率が8%から10%に引き上げられた2019年10月1日に導入され、消費税収の増加分を活用しています。

年金生活者支援給付金はだれでも受け取れるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。

 

1.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件

老齢年金生活者支援給付金の対象は、下記の支給要件をすべて満たす方です。

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

1.2 「障害年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 障害年金等の非課税収入は除く

1.3 「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 遺族基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)

※ 遺族年金等の非課税収入は除く

いずれの年金生活者支援給付金にも、前年の所得額が支給要件として関わっています。

次章では、年金生活者支援給付金の給付額について確認しましょう。

2. 【最新版】2025年度「年金生活者支援給付金」が2.7%増に!

給付額は公的年金と同様に毎年度、物価変動に応じて支給額の見直しが行われます。

2025年度の給付額はいずれも前年度から2.7%引き上げられました。

年金生活者支援給付金の支給金額2/6

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

  • 老齢年金生活者支援給付金:基準額:月額5450円
  • 障害年金生活者支援給付金:障害等級1級6813円・2級5450円
  • 遺族年金生活者支援給付金:月額5450円

老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに保険料納付済期間や免除期間に応じて実際の給付額が計算されるため、個人差が出ます。

次章では、年金生活者支援給付金の請求手続きの方法について詳しく見ていきましょう。

3. 【年金生活者支援給付金】どうもらう?請求手続きの方法

年金生活者支援給付金は、申請をしないと受け取れない仕組みです。

公的年金と同様に請求手続をおこなう必要がありますので、詳しく見ていきましょう。

3.1 新たに老齢年金を受け取り始める人が、年金生活者支援給付金の支給対象となった場合

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)3/6

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ

  • 65歳になる3カ月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前給付用)」に同封して、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届きます
  • 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金請求書と併せて年金事務所に提出します

3.2 すでに年金受給中で、新たに年金生活者支援給付金の支給対象となった場合

  • 毎年9月の第1営業日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます
  • 必要事項を記載し、切手を貼ってポストに投函します

年金生活者支援給付金請求手続きのご案内4/6

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内リーフレット」

3.3 年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方が電子申請する場合

2025年1月以降に65歳に到達し、日本年金機構から年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方については、電子申請も利用できます。

準備に必要なのはスマートフォンとマイナンバーカード。さらにマイナンバーカード受け取り時に設定したパスワード
(数字4桁)と署名用電子証明書パスワード(英数字6桁~16桁)が必要です。

もしパソコンで手続きする場合は、マイナンバーカードの読取装置が必要となります。

事前にマイナポータルの利用者登録を行い、マイナポータルとねんきんネットを連携させておきましょう。

あとはマイナポータルからねんきんネットにログインし、画面の案内にそって年金生活者支援給付金の申請ができます。

市町村から提供された所得情報により、日本年金機構において年金生活者支援給付金の支給要件を満たしているかを判定します。請求書の受付日から1~2か月後に結果が郵送されるスケジュールです。

なお、一度請求書を提出すれば支給要件を満たす限り2年目以降の手続きは不要で、継続して受給することができます。

次章では、現代のシニア世代がどれくらいの年金を受け取っているのかを見てみましょう。

4. 【まとめ】年金には個人差あり。老後について考えておこう

年金生活者支援給付金について解説しました。

年金が少ない方は、継続的に給付金が受け取れる可能性があります。

厚生労働省が公表している「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、年金受給額の実態は以下のとおりとなっています。

年金の個人差6/6

年金の個人差

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

4.1 厚生年金の平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:14万6429円

  • 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万7200円

4.2 国民年金の平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:5万7584円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万5777円

平均だけで見るより、グラフで見ることで年金の個人差がよくわかりますね。

一定数の人は年金が少なく、年金生活者支援給付金の対象となることがわかります。

ただし、給付金だけで十分な暮らしを送れるとは限りません。

それぞれの年金額を把握し、年金について考えておきましょう。

参考資料