近年、日本では男女の「未婚化」が問題となっていますが、その背景について、40代~60代の未婚男女が考える理由は、1位が「結婚はあくまでも選択肢のひとつであって、結婚を望まない人が増えてきたから」、2位が「社会全体の雇用・収入が良くない」というものでした。

このような傾向は、日本の背中を追うように、米国や欧州においても顕著に表れ始めています。雇用率の悪化や学費ローンの返済苦で「ミレニアル世代(1980年代~90年代生まれ)」の未婚化・晩婚化が起こったり、親元から自立しない20~30代の「ブーメランキッズ」と呼ばれる若者の問題が報じられています。

また、10月22日付の英国大衆紙『デイリーメイル』のオンライン記事では、英国の18歳~24歳の若年層に「簡単に結婚できて、簡単に別れられる携帯電話の契約のような結婚観」が広がりつつあるという調査結果が取り上げられ、リベラル派と保守派による賛否両論のコメントが1,000件以上書き込まれています。

団塊世代以前は、「1人の異性と結婚して、子どもをもうけ、マイホームを持ち……」と、「幸せはこうあるべき」という意識が共有されていましたが、社会構造の変化により、日本だけでなく、先進国における幸福観や結婚観の多様化は急速に進んでいます。

インターネット上では、未婚者に対する偏見や、既婚者に対する憐みの声があふれています。そうした不毛な想像合戦はやめ、「いろんな幸せの形がある」という歩み寄りが必要となりそうです。

【参考】
 人生100年時代の結婚に関する意識と実態 – 明治安田生活福祉研究所
”A third of young people back polygamy and a quarter want to see marriages allow people to ‘upgrade’ to a new partner, major poll finds” – DailyMail

北川 和子