まだ先だからと想像しにくい「老後生活」。
老後生活と一口にいっても、「人生100年時代」と考えれば60歳代、70歳代、80歳代…とその年代によって暮らしぶりも変わるものです。
なかにはひとりになることを考えたり、ひとりになることを思うと不安という方もいるでしょう。
老後は収入が限られたり、住まいを急に変えるなど大きく生活を変えるのも難しかったりするものですから、現役時代のうちからさまざまな暮らしを想定して考えておきたいものです。
今回は、現代シニアの高齢者の暮らしとお金事情に迫ります。ゴールデンウィークで長期休暇の方もいると思いますから、これを機に老後生活について考えてみましょう。
1. 【高齢単身世帯】男性は「70歳代前半」女性は「85歳以上」が多い
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の者がいる世帯構造は以下の通り。
1.1 高齢者世帯の世帯構造
- 「単独世帯」51.6%
- 「夫婦のみの世帯」44.1%
- 「そのほかの世帯」4.2%
単独世帯の場合、男女別にみると「男性35.6%、女性64.4%」となっています。
単独世帯の割合を男女別、かつ年齢別にも確認しましょう。
1.2 65歳以上・単独世帯の男性の年齢構成
- 65~69歳:25.1%
- 70~74歳:27.7%
- 75~59歳:19.5%
- 80~84歳:13.7%
- 85歳以上:13.9%
男性の場合、70歳代前半、60歳代後半、70歳代後半の順で年齢で見ると多いとわかりました。
1.3 65歳以上・単独世帯の女性の年齢構成
- 65~69歳:13.8%
- 70~74歳:20.3%
- 75~59歳:20.4%
- 80~84歳:20.6%
- 85歳以上:24.9%
女性は最も多いのが85歳以上となっています。
60歳代後半がもっと少なく、それ以上が2割以上ずつとなりました。
女性は男性に比べて平均寿命が長いので、先のことまで早くから考えて備えたいところでしょう。
2. 【ひとりの生活費】かかる支出はいくらか
では単身世帯の老後の生活費はどれくらいなのでしょうか。
まず生活費でなるべく赤字が出ないことが老後の生活では大切になります。ただ年金のみでは生活できない方もいますから、赤字になるのであれば早くから確認したいでしょう。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の家計収支は以下のとおりです。
2.1 月の収入
収入:13万4116円(うち社会保障給付12万1629円)
2.2 月の支出
- 消費支出:14万9286円
- うち食料:4万2085円
- うち住居:1万2693円
- うち光熱・水道:1万4490円
- うち家具・家具用品:6596円
- うち被服及び履物:3385円
- うち保健医療:8640円
- うち交通・通信:1万4935円
- うちその他:3万956円
- 非消費支出:1万2647円
支出合計16万1933円
月の収支:▲2万7817円
上記は平均額ですが、年金収入は約12万円ほど。ただし後述しますが、年金受給額は個人差がとても大きくなっています。
生活費は消費支出が約15万円、また税金や社会保険料などが約1万3000円となっており、税金や社会保険料の支払いも考えなければなりません。
あくまで平均額ですから、自身の場合を確認したり計算してみましょう。
3. 「ひとりの老後」もらえる年金月額は平均いくらか(厚生年金と国民年金)
個人差が大きいのが公的年金の受給額です。厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より平均月額を確認しましょう。
3.1 国民年金・厚生年金「平均月額と個人差」
国民年金(老齢基礎年金)
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
厚生年金(国民年金部分を含む)
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
平均年金月額は、国民年金のみを受給する場合は男女ともに5万円台、厚生年金は男性16万円台、女性10万円台です。
ただし、実際に受け取る年金額には、グラフのように大きな個人差が見られます。
そのため、ねんきんネットなどを使用して、自身の将来の年金見込み額は早くから確認し、老後の対策を考えましょう。
また、基本的に税金や社会保険料は年金から天引きされるので、年金見込み額から天引きされた金額での生活を想定しておきたいところです。
4. おひとりさまの貯蓄額は平均でいくら?60~70歳代もみる
最後にJ-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」より、60~70歳代の単身世帯の貯蓄額を確認しましょう。
60歳代のおひとりさまの貯蓄額は平均で1679万、中央値は350万円。70歳代は平均1634万円、中央値で475万円でした。
平均と中央値の差が大きく、中央値をみるとまとまった貯蓄が保有できていない家庭も少なくないとわかります。早くから老後資金についても考えてみましょう。
5. 老後のために資産運用も選択肢の一つに
今回はひとりの老後にかかる生活費用や、収入・貯蓄の平均についてみてきました。
人生100年と考えると、老後資金対策は預貯金以外にも、複数の選択肢をもって行いたいところ。
長く働き続けることも検討の一つになりますし、また「お金に働いてもらう」資産運用も一つでしょう。
PRTIMES「【緊急調査】「プラチナNISA」認知度50.3%、高齢層の利用意向は約5割、「こどもNISA」は30代以下の7割が利用意向あり」によれば、家計診断・相談サービス『オカネコ』を運営する株式会社400Fが、金融庁が検討している公表した施策について『オカネコ 新NISA及びプラチナNISA・こどもNISAに関する意識調査』(いずれも仮称)を実施(※対象は全国の『オカネコ』ユーザー370人。回答者の年齢は30代以下21.1%、40代29.5%、50代31.1%、60代以上18.4%)。
プラチナNISA(仮称)とは高齢者向けの少額投資非課税制度で、同調査によると金融庁が創設を検討していることを把握している人は50.3%。創設されたら65歳以降で利用したいと思う人は38.9%でした。
NISAでは運用を行うため、やはり元本割れリスクは気になるものでしょう。老後資金は大切なお金ですからリスクは抑えたいものです。
ただ「プラチナNISA」の対象商品として挙げられている毎月分配型の投資信託ですが、分配金の金額が変動するなどリスクがある一方で、運用をしながら毎月分配金が受け取れるとなると老後資金対策の一つにはなります。
プラチナNISAについては検討という段階なので、今後についてはニュースなどをもとに確認していきたいですが、老後資金の選択肢として考えるのは一つでしょう。
ほかにもさまざまな制度改正や新たな老後対策の方法が出てくる可能性があります。
自身の現状を確認するとともに、情報収集も忘れずに行ってくださいね。



