4. おひとりさまの貯蓄額は平均でいくら?60~70歳代もみる
最後にJ-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」より、60~70歳代の単身世帯の貯蓄額を確認しましょう。
60歳代のおひとりさまの貯蓄額は平均で1679万、中央値は350万円。70歳代は平均1634万円、中央値で475万円でした。
平均と中央値の差が大きく、中央値をみるとまとまった貯蓄が保有できていない家庭も少なくないとわかります。早くから老後資金についても考えてみましょう。
5. 老後のために資産運用も選択肢の一つに
今回はひとりの老後にかかる生活費用や、収入・貯蓄の平均についてみてきました。
人生100年と考えると、老後資金対策は預貯金以外にも、複数の選択肢をもって行いたいところ。
長く働き続けることも検討の一つになりますし、また「お金に働いてもらう」資産運用も一つでしょう。
PRTIMES「【緊急調査】「プラチナNISA」認知度50.3%、高齢層の利用意向は約5割、「こどもNISA」は30代以下の7割が利用意向あり」によれば、家計診断・相談サービス『オカネコ』を運営する株式会社400Fが、金融庁が検討している公表した施策について『オカネコ 新NISA及びプラチナNISA・こどもNISAに関する意識調査』(いずれも仮称)を実施(※対象は全国の『オカネコ』ユーザー370人。回答者の年齢は30代以下21.1%、40代29.5%、50代31.1%、60代以上18.4%)。
プラチナNISA(仮称)とは高齢者向けの少額投資非課税制度で、同調査によると金融庁が創設を検討していることを把握している人は50.3%。創設されたら65歳以降で利用したいと思う人は38.9%でした。
NISAでは運用を行うため、やはり元本割れリスクは気になるものでしょう。老後資金は大切なお金ですからリスクは抑えたいものです。
ただ「プラチナNISA」の対象商品として挙げられている毎月分配型の投資信託ですが、分配金の金額が変動するなどリスクがある一方で、運用をしながら毎月分配金が受け取れるとなると老後資金対策の一つにはなります。
プラチナNISAについては検討という段階なので、今後についてはニュースなどをもとに確認していきたいですが、老後資金の選択肢として考えるのは一つでしょう。
ほかにもさまざまな制度改正や新たな老後対策の方法が出てくる可能性があります。
自身の現状を確認するとともに、情報収集も忘れずに行ってくださいね。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2024年)」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- PRTIMES「【緊急調査】「プラチナNISA」認知度50.3%、高齢層の利用意向は約5割、「こどもNISA」は30代以下の7割が利用意向あり」
宮野 茉莉子