日本の公的年金制度はしばしば「2階建て構造」と表現されますね。

これは、ベースとなる「基礎年金(国民年金)」と、上乗せ部分の「厚生年金」から成り立つためです。

基礎年金は、国内に住む20歳~60歳未満のすべての人が原則加入対象です。これに上乗せする形で、厚生年金は会社員や公務員など、企業や官公庁に雇用される人は「厚生年金」に加入します。

ずっと自営業だったなど、厚生年金に加入して働いた期間がない(基礎年金のみに加入していた)場合、老後に受け取る年金は「老齢基礎年金」のみ(※1)。厚生年金に加入していた働いた期間がある人は、老齢年金に上乗せして厚生年金(※2)を受け取ります。

基礎年金と厚生年金では、現役時代に支払う年金保険料や、老後の年金額の計算方法などが異なります。また、基礎年金のみを受け取る場合と、厚生年金を上乗せで受け取る場合とでは、おのずと年金差が出ます。

基礎年金+厚生年金「年金制度は2階建て」

基礎年金と厚生年金【男女差・個人差】

出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

今回は、厚生労働省の一次資料をもとに、基礎年金と厚生年金の年金月額データを眺めていきます。

※1 資格期間:保険料納付済期間と国民年金の保険料免除期間などの合算。2017(平成29)年8月1日以降は、資格期間が10年以上あれば老齢年金が受給できるようになっています。
※2 厚生年金の被保険者には「第1号:第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人」「第2号:国家公務員共済組合の組合員」「第3号:地方公務員共済組合の組合員」「第4号:私立学校教職員共済制度の加入者」の4つの区分があります。