公的年金は、私たちの老後の暮らしとは切り離せないものですが、そのしくみは複雑で分かりにくいと感じている人もいるでしょう。

なかには、現役時代のころから知っておくことで、60歳代以降の働き方や過ごし方が変わる可能性があるしくみもあります。「繰下げ受給」の制度はその好例でしょう。

一般的な受給スタート年齢は「原則65歳」ですが、「66歳~75歳」の間で繰り下げると、後ろ倒しした月数に応じて年金を増やすことができます。

今回は、老齢年金の「繰下げ受給」のしくみを整理しながら見ていきます。本来の年齢で受け取った場合との年金額の違いや意外な盲点にも着目してみてください。