2. 【老齢年金】厚生年金(+国民年金)の年金額をシミュレーション

日本の公的年金制度は「1階:国民年金(基礎年金)」と「2階:厚生年金」による2階建て構造になっています。

現役時代に厚生年金に加入して働いていた人は、老後に国民年金(基礎年金)に加えて厚生年金を受給できます。

【写真全7枚1枚目】公的年金の仕組みとは? 2枚目以降で、厚生年金の計算式や【厚生年金】年金月額階級ごとの受給権者数を確認する

公的年金の仕組みとは?

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」

国民年金は、保険料納付済期間、厚生年金は給与や賞与などの報酬に応じて決まる保険料や年金加入期間により計算されます。詳しい計算式は、次章で解説します。

では、老後に公的年金(国民年金+厚生年金)をどのくらい受け取ることができるのか。以下のケースでシミュレーションしてみましょう。

  • 就職年齢:22歳0ヶ月
  • 退職年齢:60歳
  • 勤務年数:38年
  • 平均年収:652万円
  • 加入年月:2003年4月
  • 終了期間:2041年4月

3. 平均年収652万円の人が受け取る厚生年金(+国民年金)は月額約19万3300円

シミュレーションの結果、平均年収652万円・勤続年数38年の人が受け取る厚生年金は、国民年金を含め月額約19万3300円となりました。

3.1 厚生年金の受給額の計算式

厚生年金受給額の計算式

厚生年金受給額の計算式

出所:日本年金機構「は行 報酬比例部分」をもとにLIMO編集部作成

報酬比例部分= A + B

A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数

B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

報酬比例部分(従前額)=( A + B )× 1.041

A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.5/1000×2003年3月までの加入期間の月数

B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.769/1000×2003年4月以降の加入期間の月数

どちらかの式によって算出されます。また加入の時期によって計算式が異なるため、ここでは2003年4月以降に加入したとして試算します。

3.2 試算条件

  • 年収652万円から平均標準報酬額は54万3300円とする
  • 2003年4月以降に厚生年金に38年間加入した
  • 国民年金は40年間未納なし
  • 配偶者や扶養家族はいない

3.3 厚生年金額をシミュレーション

老齢厚生年金額=148万7900円

さらに老齢基礎年金(国民年金)の満額約83万1700円を足すと、合計で約231万9600円となります。

月額にすると約19万3300円です。

実際には38年間を通して年収652万円であるケースはまれですが、一つの目安となるでしょう。

※昭和21年4月1日以前に生まれた方については、給付乗率が異なります。

※年収÷12で仮の平均標準報酬月額を算出しています。実際には「平均標準報酬月額」「平均標準報酬額」を用いるため、厳密には年収と異なります。

※あくまでも概算のため、実際の受給額とは異なるケースがあります。

※老齢基礎年金は2025年度新規裁定者の基準額です。