4. リスク許容度の考え方
投資をしながら資産を増やそうとする場合、知っておくべきことが「リスク許容度」です。
リスク許容度とは、投資において損失の可能性や変動に耐えられる程度を示します。
リスク許容度が大きい方ほど、多くの資金を投資に回したり、リスクの大きな金融商品を購入できる余力があります。
適切なリスク許容度を把握することは、投資戦略を立てる上で欠かせません。リスク許容度を決める要素と、その考え方についてまとめました。
4.1 財務状況
資産を有しているほどリスク許容度は大きい
4.2 収入
収入が多いほど、安定性があるほどリスク許容度は大きい
4.3 扶養家族
少ないほどリスク許容度は大きい
4.4 投資期間
長いほどリスク許容度は大きい
4.5 年齢
若いほどリスク許容度は大きい
4.6 投資経験
経験があるほどリスク許容度は大きい
4.7 損失に対する感情的反応
損失が発生してもパニックにならない人ほどリスク許容度は大きい
リスク許容度を判定する要素はさまざまで、資産状況や収入といった数字で測れるものに加えて、性格的な要素も含まれます。
財務的に大きなリスクを取れる状況でも、心理的・性格的にリスクへの耐性が弱い場合は、総合的なリスク許容度は低いといえるでしょう。ただし、投資経験を積むことにより値動きに慣れ、徐々にリスク許容度は大きくなります。
投資計画を立てるためには、「いくらの投資額が必要か」「どの程度の利回りが求められるか」だけでなく、リスク許容度も加味することが大切です。必要に応じて、客観的な第三者(ファイナンシャルプランナー)の視点を取り入れることも、参考になるでしょう。
5. まとめにかえて
老後資産を形成するうえで、計画的に投資することは有用です。
ただし、「投資した元本がどれくらいマイナスになっても生活に影響がないか」「どれくらいまでなら投資した元本がマイナスとなっても気持ち的に耐えられるか」といった「リスク許容度」は、人それぞれ異なります。
年齢や家族構成、投資経験などを総合的に判断し、自分の「リスク許容度」を考えてみましょう。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- ウェルスアドヴァイザー「金融電卓(資産形成・運用シミュレーション)」
- 財務省中国財務局「「リスク許容度」を考えよう」
柴田 充輝