4. 住民税非課税世帯になると適用外になる制度

住民税非課税世帯になると多くの優遇措置が受けられる一方で、特定の制度や控除の恩恵を受けられなくなる場合もあります。​

以下では、非課税世帯が利用できない、または効果が薄れる可能性のある制度について解説します。​

4.1 医療費控除の効果が限定的に

医療費控除は、年間の医療費が一定額を超えた場合に、所得税や住民税の軽減が期待できる制度です。

​しかし、住民税非課税世帯の場合、すでに住民税が課されていないため、医療費控除を申告しても住民税の軽減効果はありません。​

また、所得税も課税されていない場合、医療費控除を申告しても還付金を受け取ることはできません。​そのため、医療費控除の効果は限定的となります。​

4.2 ふるさと納税の控除上限がゼロに

ふるさと納税は、寄付金額のうち自己負担額2000円を除いた全額が、所得税や住民税から控除される制度です。

​しかし、住民税非課税世帯の場合、住民税が課されていないため、控除の対象となる税額がなく、実質的に控除を受けることができません。​

そのため、ふるさと納税を行っても、寄付金額全額が自己負担となり、返礼品を受け取るための費用が高くつく可能性があります。​

これらの点を踏まえ、住民税非課税世帯となることで得られるメリットと、利用できなくなる制度のバランスを考慮することが重要です。

​特に、医療費控除やふるさと納税を積極的に利用していた方は、非課税世帯となることでこれらの制度の恩恵を受けられなくなる可能性があるため、注意が必要です。

5. 住民税非課税世帯を対象とした優遇制度は他にもいろいろ…

住民税非課税世帯について、概要や要件、優遇制度について解説してきました。

本記事では3つの優遇制度をご紹介しましたが、他にも多くの支援が準備されています。

自治体が独自で行う給付金や助成金、補助金などもありますので、お住まいの自治体ホームページを確認してみると良いでしょう。

例)チャイルドシート購入費用補助、補聴器購入費用補助、シニアのスマホ購入費用補助、シニアの免許返納による公共交通機関の優遇パス、防犯対策グッズ購入費用、物価対策における食品購入クーポン配布

上記、一例をご紹介しましたが、住民税を納めている「課税」世帯も適用となるものもありますので情報収集してみてください。

参考資料

和田 直子