気象庁「向こう1か月の天候の見通し全国 (8/2~9/1)」によれば、平均気温は北日本・東日本・西日本で「高い見込み」となっています。

これだけの暑さが長く続くと、エアコン代や飲食料品の費用などが気になるもの。熱中症などの体調不良に気を付けるためしっかりと暑さへの対策はしたいですが、春秋に比べれば何かとお金がかかりますね。

8月15日には年金支給日を控えていますから、年金の支給を楽しみにしているという方もいるでしょう。

では、老後の生活の柱である厚生年金と国民年金の平均額はどれくらいになるのでしょうか。今回は年代別と全体に分けて平均年金月額をみていきましょう。

1. 2025年度の年金額は1.9%引き上げ

公的年金は、毎年物価や賃金の変動を反映して見直されています。2025年度の年金額は、前年度より1.9%引き上げられています。

公表された年金額例を見ると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万9308円となっています。

また、厚生年金は、モデルケース「厚生年金を受け取る会社員の夫+国民年金を受け取る妻」の世帯の場合、月額23万2784円です。

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

2. 公的年金の仕組みとは

日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の二つの柱で成り立っており、「2階建て構造」といわれています。

2.1 国民年金(1階部分)

国民年金は、原則として日本に居住する20歳以上から60歳未満の全員が加入します。職業や国籍は問いません。

  • 年金保険料は?:全員一律(※1)
  • 老後の受給額は?:40年間欠かさず納めれば満額(※2)
  • 被保険者は?:第1号~第3号に区分される(※3)

※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
※3 第1号被保険者は農業者・自営業者・学生・無職の人など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者

2.2 厚生年金(2階部分)

厚生年金は、会社員や公務員、パート・アルバイトで特定適用事業所(※4)に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入します。

  • 年金保険料は?:収入に応じて決まり(※5)、給与からの天引きで納付
  • 老後の受給額は?:加入期間や納めた保険料により個人差がある
  • 被保険者は?:第1号~第4号に区分される(※6)

※4 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※5 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※6 第1号は、第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者

なお、最近では公的年金だけでは老後の生活が不安であるために私的年金を準備する人も増えています。この私的年金は「個人年金保険」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といったもので、公的年金に上乗せする「3階部分」となります。